むくみ・冷え
[#60]むくみ対策グッズ、あなたのタイプには要らないかも?着圧・足枕・温めの使い分けを整体師が整理
文=けんぞう(美容整体師・小顔矯正士/施術歴13年・延べ2万7千人以上)
みなみ先生、この前むくみの4タイプの話を聞いてから、自分は「筋肉ポンプ型」と「水分タイミング型」が混ざってるんだろうなって思ったんです。で、ネットで対策グッズを探し始めたら、着圧ソックスに足枕にレッグウォーマーに……種類が多すぎて、結局どれを買えばいいのか分からなくなりました。
けんぞう先生その順番、すごくいいです。「自分のタイプを先に知ってから道具を探す」——これができている時点で、もう半分は正解に近づいていますよ。
けんぞう先生今日はそこから先を、はっきりお話しします。先に一つだけ、僕が正直に言いたいことがあって。むくみ対策グッズは、タイプによっては「買わなくていい」んです。これ、道具を売る側の人はなかなか言わないと思うんですが、施術の現場で色々な方を見てきた実感として、そう思っています。
先に結論:グッズを買う前に、「自分は道具が要るタイプか」を知る
けんぞう先生むくみの4タイプは、前の記事でお話ししましたね。筋肉ポンプ型、冷え・血行不良型、塩分・食事型、水分タイミング型。
みなみはい。私はポンプ型と水分タイミング型の混合だと思ってます。
けんぞう先生その4つを「道具の視点」で並べ直すと、実はこうなります。
けんぞう先生
- 道具が助けになりやすいタイプ:筋肉ポンプ型、冷え・血行不良型
- 道具より先にやることがあるタイプ:塩分・食事型、水分タイミング型
けんぞう先生そうなんです。塩分と水分のタイプは、原因が「食べ方・飲み方」にあります。そこに道具を足しても、根っこには届きにくい。ここ、本当に大事なので先に言い切っておきますね。むくみの原因が生活リズムにある人は、グッズを買う前に、リズムを整える方が先です。
みなみじゃあ私、着圧ソックスを買おうか迷ってたんですけど……。
けんぞう先生みなみさんはポンプ型も混ざっているので、道具が役に立つ場面はあります。ただし「使い方」と「使うタイミング」を間違えると、逆に流れを止めてしまう。ここからタイプ別に、丁寧に見ていきましょう。
筋肉ポンプ型:「動かす」が本丸、道具はその補助
けんぞう先生筋肉ポンプ型は、座りっぱなし・立ちっぱなし・抱っこで同じ姿勢が続いて、ふくらはぎのポンプが働かないことで起きるタイプです。
けんぞう先生このタイプの本丸は、道具ではなく「動かすこと」です。かかとの上げ下げ、足首回し。1時間に一度、ほんの数十秒でいい。ここは僕がいつもお伝えしているところですが、道具はそのあとの補助なんですよ。
けんぞう先生大きく二つあります。一つは、日中や帰宅後に使う着圧ソックス。溜まった分を絞り出す助けになります。もう一つは、就寝時の足枕。重力を味方につけて、脚に溜まった水分を心臓側へ戻す方向に働きかけます。
けんぞう先生使う時間帯が違うので、両立はできます。ただし着圧には「使ってはいけない時間帯」があります。これは後ほど、全タイプ共通の原則としてまとめてお話ししますね。
冷え・血行不良型:「締める」より「温める」
けんぞう先生冷え・血行不良型は、ふくらはぎや足先が冷えて血流が滞り、水分の巡りも落ちているタイプです。夏の冷房でも起きますよ。
けんぞう先生ここ、間違えやすいところなので、はっきり言わせてください。冷えているところを締めると、血の巡りをさらに滞らせる方向に働くことがあります。このタイプに向いているのは「締める」ではなく「温める」です。
けんぞう先生レッグウォーマーや靴下でふくらはぎを軽く温める。湯船にゆっくり浸かる。この二つが基本です。締める道具ではなく、温める道具を選んでください。「着圧」と「温める」は、まったく別の話なんです。
みなみ着圧して温かくなる気がしてたんですけど、違うんですね。
けんぞう先生締めつけの感覚を「効いている感じ」と思ってしまう方は多いんですが、冷えのタイプにとっては、それが逆方向に働くことがある。ここは正直に、はっきりお伝えしておきたいところです。
塩分・食事型/水分タイミング型:道具より先に、やることがある
みなみ私のもう一つのタイプ、水分タイミング型はどうすれば?
けんぞう先生このタイプは、道具を買う前に「飲み方」を変えるだけで、状況が変わりやすいんです。寝る直前の帳尻合わせのがぶ飲みをやめて、朝たっぷり・日中こまめ・夕食までに一日分を飲み終える。このリズムが本丸です。
けんぞう先生混合型なら足枕は補助になります。でも「水分タイミング型だけ」の方なら、僕は正直、まず道具を買わずにリズムだけ変えてみてほしい。それで変わるなら、道具にお金を使う必要がないんです。
けんぞう先生同じです。外食やインスタントが続いた翌日のむくみは、道具で押さえ込むより、食べ方を戻す方が早い。ここは「グッズを売らない整体師」として、胸を張って言えるところです。
混合型の人はどう順番をつける?——みなみさんの1日で当てはめる
みなみ私みたいに、ポンプ型と水分タイミング型が混ざってる場合、結局どこから手をつければいいんでしょう。
けんぞう先生いい質問です。実は施術の現場で見ていると、単一タイプの方の方が少なくて、ほとんどの方が混合型なんです。だから「順番のつけ方」が、この記事でいちばん実用的な部分かもしれません。
けんぞう先生原則は「お金のかからないものから」です。みなみさんの1日に当てはめてみましょう。
けんぞう先生【みなみさんの1日・順番の例】
- 朝:起きてすぐ、コップ1〜2杯の水をゆっくり。ここで1日の水分の土台を作る(水分タイミング型の本丸)
- 日中(在宅ワーク中):1時間に一度、座ったままかかとの上げ下げを20回、足首回しを左右10回ずつ。数十秒で終わる(ポンプ型の本丸)
- 夕方(抱っこが続く時間帯):抱っこしたまま、かかとをゆっくり上げ下げ。段差があれば、つま先だけ乗せてかかとを下げる伸ばし方も
- 帰宅後〜入浴前:ここが着圧ソックスの使いどころ。日中に溜まった分を絞る(道具の出番①)
- 入浴後:着圧は外す。ここからは「流す」時間
- 就寝時:脚が重い日は足枕。高さは上げすぎない(道具の出番②)
みなみ道具が出てくるのが、1日の後半だけなんですね。
けんぞう先生そうなんです。ここ、僕が本当に伝えたいところで、道具は「日中に自分で動かしたあとの補助」なんです。動かさずに道具だけ足しても、ポンプが働いていない状態は変わらない。逆に、日中ちゃんと動かせている日は、道具がなくても脚が軽いことに気づくと思います。
けんぞう先生はい。まず1週間、道具なしでこの順番をやってみてください。それで足りないと感じた部分にだけ、道具を足す。この順番なら、買って後悔することがなくなります。
【早見表】タイプ別・道具の向き不向き
| タイプ | 本丸 | 向いている道具 | 注意したい道具 |
| 筋肉ポンプ型 | 日中に動かす | 着圧ソックス(日中〜入浴前)、足枕(就寝時) | — |
| 冷え・血行不良型 | 温める | レッグウォーマー・靴下、湯船 | 着圧(冷えを締めると滞りやすい) |
| 塩分・食事型 | 食べ方を戻す | 道具は補助程度 | 道具で押さえ込もうとしないこと |
| 水分タイミング型 | 飲み方のリズム | 道具は補助程度 | 道具の前にリズムを変える |
みなみこう見ると、私は「動かす」と「飲み方」の両方をやってから、着圧か足枕、なんですね。
けんぞう先生その通りです。順番が分かると、無駄な買い物がなくなりますよ。
全タイプ共通:道具を「使うタイミング」の原則
けんぞう先生最後に、どの道具にも共通する、いちばん大事な原則をお話しします。特に着圧ソックスです。
けんぞう先生はい。着圧ソックスは「帰宅後から入浴前まで」が使いどころです。日中に溜まった分を絞り出す。ここまではいい。ところが、お風呂上がりの血行が良い状態で締めて、そのまま寝る——これは、せっかく道が空いて車が流れ始めたところに、自分で通行止めの看板を立てているようなものなんです。
みなみ寝るときに履く着圧って、よく見かけますけど……。
けんぞう先生特定の商品を批判するつもりはありません。ただ、身体の仕組みとして、寝ている間は「流す」時間です。新しく流れてきているものまで止めてしまうと、全体が滞留する。朝脱いだ時にスッキリしているのは当然なんです。絞り出したあと、本来なら新しく流れてくるはずのものを、一晩ずっとシャットアウトしていたわけですから。細く見えているだけで、流れが良くなった結果ではない。「止められていたものが、寝ている間どこでどうなっていたか」という視点を持ってほしいんです。
けんぞう先生それが、体本来の排出の流れです。道具は、その流れを助ける方向で使う。ここが、僕がこの記事でいちばん伝えたかったことです。
道具を買う前の、5つのセルフチェック
けんぞう先生最後に、道具を買う前に確認してほしいことを5つにまとめます。全部「はい」なら、道具の出番です。「いいえ」が残っているなら、まずそこからです。
けんぞう先生【買う前のセルフチェック】
- 朝起きてから、コップ1〜2杯の水を飲んでいる
- 寝る直前に、まとめて水を飲む習慣がない
- 日中、1時間に一度は脚を動かしている(かかと上げ下げ・足首回し)
- 外食やインスタントが続いた日と、むくみの重さがつながっていないか振り返った
- 自分のむくみが、片脚だけ・急に・痛みつき、ではないと確認した(該当するなら医療機関へ)
みなみ最初の3つ、正直ぜんぶ「いいえ」でした……。
けんぞう先生それが分かっただけで、今日の価値があります。ここ、僕が本当に伝えたいところなんですが、この3つを1週間やるだけで脚の重さが変わる方は、道具を買わなくていい。変わらない方に、はじめて道具の出番が来る。この順番を守ってもらえたら、むくみ対策で無駄なお金を使うことはなくなると、僕は思っています。
こんな時は、まず医療機関へ
次のような場合は、道具を選ぶ前に、医療機関で検査を受けてください。
- 片脚だけに急なむくみ・痛み・熱っぽさがある
- 押してもへこみが戻らないほどのむくみが続いている
- 顔やまぶたのむくみが強く、朝から一日続く
- 息切れや体重の急な増加をともなう
- 心臓・腎臓・肝臓・血管の病気で通院中である
- 服用中の薬を変えた後から症状が出はじめた
これらは医療機関で検査を受けるべき状態です。むくみは病気のサインとして現れることもあるため、自己判断で道具に頼らず、早めの受診を心がけてください。
まとめ
- むくみ対策グッズは、タイプによっては「買わなくていい」
- 筋肉ポンプ型は「動かす」が本丸。着圧(日中〜入浴前)と足枕(就寝時)が補助になる
- 冷え・血行不良型は「締める」より「温める」。着圧は逆方向に働くことがある
- 塩分型・水分タイミング型は、道具より先に食べ方・飲み方のリズムを整える
- 着圧は「お風呂を境に反転」。入浴後〜就寝の着用は流れを止める
けんぞう先生グッズを買うこと自体は悪くありません。ただ、自分のタイプに合わない道具にお金と期待を注いで、「やっぱりダメだった」と落ち込む方を、僕はもう見たくないんです。今日の早見表で、ご自身の順番を確かめてから選んでもらえたら嬉しいです。
強い痛みやしびれがある場合は、まず医療機関を受診してください。検査で異常なしと言われたのに不調が続く方、そこからが当サイトの領域の出番です。あきらめる必要はありません。
その不調、寝具のせいだけじゃないかもしれません。身体の状態を整えた上で、自分に合った環境を選ぶことが大切です。
執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴13年・延べ2万7千人以上)
※この記事の内容は一般的な情報提供であり、診断や治療の代わりにはなりません。
よくある質問
Q. 自分がどのタイプか分かりません。
むくみの4タイプの見分け方は、別記事「むくみの原因はひとつじゃない」で整理しています。多くの方は複数のタイプが混ざっているので、当てはまる項目が多いものから順に対策してみてください。
Q. 着圧ソックスと足枕、どちらか一つ選ぶなら?
筋肉ポンプ型で、日中の溜まり方が気になる方は着圧(入浴前まで)、就寝中に脚が重い方は足枕が向いています。使う時間帯が違うので、両方使うこともできます。
Q. 冷え性ですが、着圧ソックスは絶対に使ってはいけませんか?
絶対にダメというわけではありませんが、冷えているところを締めると巡りが滞りやすくなることがあります。まずは温める対策を優先し、着圧を使う場合も日中〜入浴前に限定してください。
Q. 道具を使っても変わりません。
タイプに合わない道具を使っている可能性と、道具以外の原因(食事・水分・姿勢)が残っている可能性があります。早見表で本丸を確認し直してみてください。それでも変わらない場合は、身体の状態を専門家に見てもらうのも選択肢です。