[#15]デスクワークで脚がむくむ人へ。座りっぱなしが引き起こす重だるさの正体
在宅ワークで座りっぱなしの日ほど、夕方になると脚がパンパンに重い。そんな経験はありませんか。こんにちは、整体師のけんぞうです。施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきました。この記事では、座りっぱなしが脚のむくみを引き起こす仕組みと、座ったままできるセルフケアをお伝えします。
もくじ
みなみ先生、在宅ワークの日は特に、夕方になると脚がパンパンで……。靴下の跡がくっきり残るくらいむくんでるんです。立ち仕事ならまだ分かるんですが、座ってるだけなのになんでこんなにむくむんでしょうか。
けんぞう先生それ、すごくよく分かります。「座っているだけだから脚は疲れていないはず」と思われがちなんですが、実は座りっぱなしこそ、脚のむくみにとって一番の大敵なんです。
みなみ座ってる方がむしろむくむんですか?
けんぞう先生はい。今日はその理由と、座ったままでもできる対策を一緒に見ていきましょう。
むくみの正体:血液を心臓に押し戻す「ポンプ」が止まっている
けんぞう先生以前、むくみについての記事で「余分な水分が脚に残った状態」というお話をしました。今日はその「なぜ脚に残ってしまうのか」を、座り姿勢の視点から掘り下げていきます。
みなみはい、静脈やリンパが回収してくれる、という話でしたよね。
けんぞう先生そうです。脚に流れた血液は、重力に逆らって心臓まで戻らないといけません。この時、大きな役割を果たしているのが、ふくらはぎの筋肉です。歩いたり、足首を動かしたりすると、ふくらはぎの筋肉がキュッと収縮して、まるでポンプのように血液を押し上げてくれるんです。これを「筋ポンプ作用」と呼びます。
みなみふくらはぎが、ポンプの役割をしてるんですね。
けんぞう先生そうなんです。ところが、座りっぱなしで脚を動かさないでいると、このポンプがまったく働きません。ふくらはぎの筋肉が動かないので、血液や水分が脚に溜まったまま、重力に従ってどんどん下に集まっていく。これが、座っているだけなのに脚がむくむ理由です。
みなみ立ち仕事の方がむくみそうなイメージでしたけど、動きがあるかどうかが大事なんですね。
けんぞう先生その通りです。立ち仕事でも歩き回っていればポンプは働きますが、座って足首すら動かさない状態が何時間も続くと、ポンプが完全に止まってしまう。デスクワークは、実はむくみにとってかなり不利な姿勢なんです。
座り方そのものも、むくみに影響している
けんぞう先生もう一つ、見落とされがちなのが座り方そのものです。脚を組む癖がある方、椅子に浅く座って膝から下だけ投げ出すような姿勢の方は、股関節やひざの裏の血管が圧迫されやすくなります。
みなみ脚組み、無意識にやってしまいます……。
けんぞう先生多くの方がそうです。脚を組むと、上になった脚の付け根あたりが圧迫されて、ただでさえ流れにくい状態に、さらにブレーキがかかってしまうんですね。座りっぱなし自体がポンプを止めているところに、圧迫という追い打ちがかかっている状態です。
座ったままできる、むくみ対策3つ
けんぞう先生立ち上がって歩くのが一番シンプルな対策ですが、仕事中はそう頻繁にはできないですよね。座ったままできる工夫を3つ紹介します。
①足首をぐるぐる回す・上下に動かす
けんぞう先生1時間に1回でいいので、足首を大きく回したり、つま先とかかとを交互に上げ下げしたりしてみてください。ふくらはぎの筋肉が動くことで、止まっていたポンプが再び働き始めます。
②かかとの上げ下げ(座ったままのカーフレイズ)
けんぞう先生椅子に座ったまま、かかとをゆっくり上げて、ストンと下ろす。これを10〜20回繰り返すだけでも、ふくらはぎの筋肉がしっかり使われます。オンライン会議の音声だけの時間などに、こっそりできるのでおすすめです。
③脚を組まない座り方を意識する
けんぞう先生完全に癖をやめるのは難しいので、「気づいたら組み替える」「休憩のタイミングで一度ほどく」くらいの意識で十分です。あわせて、椅子に深く座って股関節の圧迫を減らすことも、流れを助けてくれます。
みなみどれも今すぐできそうです。特にかかとの上げ下げ、会議中にやってみます。
けんぞう先生タイマーで1時間ごとに知らせるようにしておくと、忘れずに続けやすいですよ。
家事・育児のすきま時間も、動くチャンス
けんぞう先生デスクワークの合間だけでなく、家事や育児のちょっとした瞬間も、身体を動かすいいタイミングなんです。
みなみ家事の最中に、ですか?
けんぞう先生はい。掃除機をかけているとき、お風呂掃除をしているとき、洗濯物を干したり取り込んだりしているとき、洗濯物を畳んでいるとき、寝かしつけで抱っこしているとき。こういった隙間で、屈伸をしてみる、伸脚運動をしてみる、アキレス腱を伸ばしてみる、背伸びをしてみる。腕や肩をぐるっと回してみたり、首を回してみたり、腰を軽くひねってみたり。とにかく関節や筋肉をちょっとでも動かしてあげることを意識してみてください。
みなみ洗濯物を畳みながら伸脚、想像すると面白いですね。でも確かに、その時間って毎日絶対にある時間ですもんね。
けんぞう先生そうなんです。わざわざ運動の時間を作らなくても、普段の生活の中にすでに「動けるタイミング」はたくさんあります。完璧な体操じゃなくていいので、気づいた瞬間に少し身体を動かす、というだけで十分です。積み重ねれば、それだけ脚のポンプが働く回数が増えていきますから。
むくみ対策は「流す」視点で
けんぞう先生以前、着圧ソックスについての記事で「圧で止めるより、流す」という考え方をお伝えしました。今日の座ったままできる工夫も、まさに同じ視点です。動かして流れを作ってあげることが、むくみのケアの基本になります。
みなみ圧迫するグッズに頼るだけじゃなくて、まず動かすことが先なんですね。
けんぞう先生そうです。日中しっかり動かして流れを作ったうえで、必要に応じて着圧グッズなどの「選択肢」を組み合わせる。この順番を大切にしてもらえたらと思います。
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こんな時は、まず医療機関へ
けんぞう先生最後に大事なことをお伝えします。片脚だけが急にむくむ、むくみに加えて強い痛みや熱感がある、といった場合は、単なる座りっぱなしのむくみとは異なる可能性があります。血管の病気が隠れていることもあるので、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。今日お話ししたのは、あくまで日常生活の中でできる範囲の工夫です。
みなみ分かりました。今のところそこまでではないので、まずは足首を回すところから始めてみます。
まとめ
けんぞう先生今日のポイントをまとめますね。
- 座りっぱなしは、ふくらはぎの「筋ポンプ作用」を止めてしまい、むくみの大きな原因になる
- 脚を組む・浅く座るなどの座り方も、血流の圧迫につながる
- 座ったままできる対策は「足首を動かす」「かかとの上げ下げ」「脚を組まない意識」の3つ
- 家事や育児のすきま時間(掃除・洗濯・抱っこなど)も、屈伸やストレッチを取り入れるチャンス
- むくみ対策は「圧で止める」より「動かして流す」が基本
- 片脚だけの急なむくみ、痛みや熱感がある場合はすぐに医療機関へ
みなみむくみって寝る前のケアだけだと思ってましたけど、日中の座り方から見直せるんですね。まずは1時間に1回、かかとの上げ下げから始めてみます。
けんぞう先生いいですね。小さな動きの積み重ねが、夕方の脚の重さを変えてくれますよ。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。強いむくみや痛み、片脚だけの急な変化がある場合は、医療機関にご相談ください。
執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)

