むくみ・冷え

[#68]冷えとむくみ、根っこは同じ「流れの悪さ」|整体師が教える血管・リンパの内側と外側の問題

ふくらはぎに触れて心配そうなみなみ

文=けんぞう(美容整体師・小顔矯正士/施術歴13年・延べ2万7千人以上)

みなみ
みなみ先生、最近ずっと足先が冷たくて、しかも夕方には靴がきつくなるくらいむくむんです。これって、冷え性とむくみ、両方治さなきゃいけないってことですよね。正直どっちから手をつければいいのか分からなくて。
けんぞう先生
けんぞう先生それ、実はすごく大事な気づきです。冷えとむくみ、みなみさんは「別々の2つの悩み」だと思っていますよね。
みなみ
みなみ違うんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生ここ、はっきりお伝えしたいところなんですが、冷えとむくみは、根っこがほとんど同じなんです。血管やリンパ管という「ホース」の流れが悪くなっている、というたった一つの状態が、冷えという形でも、むくみという形でも表れているだけなんですよ。
みなみ
みなみ同じ根っこから、2つの症状が出てるってことですか。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。だから今日は、「冷えの対策」と「むくみの対策」を別々にお話しするのではなく、その根っこにある「流れの悪さ」がどうやって起きるのかを、一緒に見ていきましょう。
けんぞう先生
けんぞう先生ただし、一つだけ最初にはっきりお伝えしておきたいことがあります。今日お話しするのは、腎臓や心臓、血管などに特に異常がない前提での、生活習慣からくる冷え・むくみの話です。もし健康診断や病院の検査で、腎臓やその他の臓器に何らかの所見が出ている場合は、今日の話は当てはまりません。その場合は、必ず医師の指示を優先してください。
みなみ
みなみ検査で何か引っかかっている人は、また別の話なんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。今日の内容は、あくまで検査では特に異常がない、いわゆる「生活習慣からくる冷え・むくみ」を対象にしています。ここを混同しないよう、記事の最後にも改めてお伝えしますね。

結論:原因は「外側」と「内側」の2つ

けんぞう先生
けんぞう先生先に結論をお伝えします。血管・リンパ管という「ホース」の流れが悪くなる原因は、大きく2つに分けられます。
けんぞう先生
けんぞう先生【流れが悪くなる2つの原因】
  • 外側の問題:筋肉が硬くなって、ホースそのものを外から圧迫している
  • 内側の問題:水分が足りなくて、ホースの中を流れる液体が濃くなっている
みなみ
みなみ外側と内側、両方あるんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生はい。ここが今日いちばん伝えたいところなんですが、多くの方はどちらか片方にしか気づいていません。「むくみ対策のグッズを試したのに変わらない」という方の中には、実はもう片方の原因を放置しているケースが本当に多いんです。

外側の問題:筋肉の硬さがホースを圧迫する

けんぞう先生
けんぞう先生まず外側の問題から見ていきましょう。血管やリンパ管は、筋肉のすぐそばを通っています。
みなみ
みなみ筋肉が硬くなると、どうなるんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生ホースの外側から、ぎゅっと圧迫されるような状態になります。特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれていて、歩く・立つといった動きで筋肉が伸び縮みすることで、脚に溜まった血液を心臓へ押し戻すポンプの役割を担っています。
みなみ
みなみそのポンプが、筋肉の硬さで働かなくなるってことですか。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。座りっぱなし・立ちっぱなしで同じ姿勢が続くと、この筋肉のポンプが働かないだけでなく、筋肉自体も硬くこわばっていきます。硬くなった筋肉は、周りの血管やリンパ管を圧迫する側にも回ってしまうんです。
みなみ
みなみ動かさないと、二重に悪いことが起きてるんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その通りです。ポンプが止まって、さらに圧迫までされる。これが「外側」の問題です。

内側の問題:水分不足でホースの中身が濃くなる

けんぞう先生
けんぞう先生次は内側の問題です。以前、血管やリンパ管を「ストロー」に例えてお話ししたことがあります。
みなみ
みなみ覚えてます。ストローの太さは人それぞれで、簡単には変えられないけど、中を流れる液体の状態は日々の水分で変えられる、という話でしたよね。
けんぞう先生
けんぞう先生よく覚えていますね。水分が足りないと、ホースの中を流れる血液が濃くなって、流れそのものがゆっくりになります。これが「内側」の問題です。
みなみ
みなみむくみが気になって、逆に水分を控えちゃう人もいますよね。
けんぞう先生
けんぞう先生そこ、正直にお伝えしたいところなんです。むくみで悩んでいる方に多い勘違いが、「水分を摂りすぎているから、むくんでいるんだ」というものなんです。
みなみ
みなみえ、私もそう思ってました。むくみ=水分の摂りすぎ、みたいな。
けんぞう先生
けんぞう先生そう思う方、本当に多いです。でも、施術の現場で色々な方を見てきた実感としては、実際には真逆で、「水分が足りなくてむくんでいる」方の方が、圧倒的に多いんです。
みなみ
みなみ逆だったんですね……。
けんぞう先生
けんぞう先生はい。水分を控えると、むしろ中身が濃くなって流れが悪くなり、むくみが悪化する方向に働きやすいんです。「むくんでいるから水分を減らす」は、実は逆効果になりやすい選択なんですよ。

冷えは「外側」からも「内側」からも起きる

みなみ
みなみここまでは、むくみの話が中心でしたけど、冷えはどう関わってくるんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生いい質問です。実は冷えも、この外側・内側どちらの問題からも起きます。
みなみ
みなみ両方からですか?
けんぞう先生
けんぞう先生はい。外側の問題(筋肉の硬さ)で血流が悪くなると、手足の先まで温かい血液が届きにくくなります。これが冷えです。それと、内側の問題(水分不足)で血液が濃くなって流れが悪くなることも、同じように末端まで血液が届きにくくなる原因になります。
みなみ
みなみむくみも冷えも、同じ2つの原因から出てきてるんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうなんです。だから「むくみ対策」と「冷え対策」を別々のものとして探すより、「外側と内側、両方の流れを良くする」という一つの視点で見た方が、ずっとシンプルになります。

なぜ片方だけでは不十分なのか

みなみ
みなみじゃあ、外側だけ、内側だけ対策しても、意味が半分になっちゃうってことですか?
けんぞう先生
けんぞう先生ここ、正直にお伝えします。「意味が半分」というより、「そもそも届かない」ことがあるんです。たとえば、筋肉をほぐすグッズだけ使って、水分をしっかり摂っていない方。外側の圧迫はゆるんでも、中身が濃いままなので、流れはあまり良くなりません。
みなみ
みなみなんで、みんな片方だけになっちゃうんでしょう。
けんぞう先生
けんぞう先生ここ、僕が施術の現場でずっと感じてきたことなんですが、世の中の情報が「外側」と「内側」を別々に語っていることが多いんです。ストレッチやマッサージの情報は筋肉の話ばかり、水分の情報は水分の話ばかり。どちらも間違ってはいないんですが、両方をつなげて説明している場所が少ない。だから多くの方が、たまたま出会った情報の方だけを実践して、「もう片方」の存在に気づけないまま終わってしまうんです。
みなみ
みなみ情報が分かれてるから、対策も分かれちゃうんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうなんです。だからこそ今日は、あえて両方を一つの記事でつなげてお話ししました。片方の情報だけで満足していた方に、「もう半分あるんだ」と気づいてもらえたら、それだけで今日の価値があると思っています。
みなみ
みなみ逆に、水分だけ頑張っても?
けんぞう先生
けんぞう先生中身はサラサラになっても、筋肉がガチガチに硬いままだと、外側からの圧迫でホースが潰れたままです。せっかく流れやすくなった水分も、詰まったところで止まってしまいます。
みなみ
みなみ両方セットじゃないと、結局どこかで止まっちゃうんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その通りです。だからこそ、今の自分がどちらの問題を放置しているのか、確認してほしいんです。

【早見表】自分は外側・内側、どちらが強いか

みなみ
みなみチェックする方法、教えてもらえますか?
けんぞう先生
けんぞう先生もちろんです。
チェック項目当てはまる場合
ふくらはぎや太ももを触ると硬く感じる外側(筋肉の硬さ)の問題が強い
座りっぱなし・立ちっぱなしの時間が長い外側の問題が強い
朝起きてから、水分をあまり摂らずに過ごしている内側(水分不足)の問題が強い
むくみが気になって、水分を控えている内側の問題が強い
両方当てはまる外側・内側、両方から対策が必要
みなみ
みなみ私、正直どっちも当てはまります……。
けんぞう先生
けんぞう先生多くの方がそうです。だからこそ、片方だけで満足せず、両方の視点を持ってもらえたらと思います。

実例:みなみさんと、お父さんの場合

みなみ
みなみ私の場合で、もう少し具体的に考えてもらえますか。在宅ワークで座りっぱなしが多くて、しかも子どもの世話で自分の水分補給を忘れがちなんです。
けんぞう先生
けんぞう先生それは、外側・内側どちらも当てはまっている典型的なパターンです。座りっぱなしでふくらはぎのポンプが働かず筋肉も硬くなる(外側)。そこに、水分不足で血液が濃くなる(内側)が重なっています。
みなみ
みなみ両方重なると、それだけ強く出るってことですか。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。だからこそ、みなみさんのような状態の方は、片方だけ頑張っても実感が乏しいことが多いんです。1時間に一度、かかとの上げ下げで外側を、コップ1杯の水で内側を、両方同時に手をつけるのが近道です。
水を飲みながらふくらはぎをさするみなみ
みなみ
みなみ父も最近、ゴルフのあと足がむくむし、手先が冷たいって言ってました。
けんぞう先生
けんぞう先生お父さんの場合は、少し違う組み合わせが考えられます。ゴルフで長時間歩く分、筋肉は動いているように見えますが、加齢とともに筋肉量が落ちてくると、同じ運動量でも疲労が蓄積しやすくなります。それに、運動中は汗をかいて水分が失われやすいのに、意識して補給しないと内側の問題も重なりやすいんです。
みなみ
みなみ動いてるから大丈夫、じゃないんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生はい。運動している方こそ、その分の水分補給を忘れないでほしいところです。年齢や生活スタイルによって、外側・内側の重なり方は変わってきます。

今夜からできる、両輪の実践

みなみ
みなみ最後に、今日から具体的に何をすればいいか、まとめてもらえますか。
けんぞう先生
けんぞう先生はい。外側と内側、それぞれ今日からできることをお伝えします。
けんぞう先生
けんぞう先生【外側(筋肉の硬さ)へのアプローチ】
  • 座りっぱなし・立ちっぱなしが1時間続いたら、かかとの上げ下げや足首回しを少しだけ行う
  • 就寝前に、ふくらはぎを軽くさすって血流を促す
  • 湯船にゆっくり浸かって、冷えて硬くなった筋肉を温める
【内側(水分不足)へのアプローチ】
  • 朝起きてすぐ、コップ1〜2杯の水をゆっくり飲む
  • 日中はこまめに、少しずつ水分を補給する
  • 寝る直前のまとめ飲みは避け、夕食までに1日分の水分を摂り終える
みなみ
みなみどちらも、大きな道具や特別なグッズがいらないんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生そこが大事なところです。まずはこの基本の両輪を整えてから、着圧ソックスや足枕といった道具を足していく。この順番であれば、道具の力もちゃんと発揮されやすくなります。

こんな時は、まず医療機関へ

次のような場合は、セルフケアの前に、まず医療機関で検査を受けてください。

これらは医療機関で検査を受けるべき状態です。今日お話しした「外側・内側」の考え方は、検査で特に異常が見つかっていない方を対象にしています。腎臓やその他の臓器の疾患など、既に医療の検査で何らかの所見が出ている場合は、この記事の内容は当てはまりません。その場合は、自己判断でセルフケアを続けず、必ず医師の指示に従ってください。

まとめ

けんぞう先生
けんぞう先生今日のポイントをまとめます。
けんぞう先生
けんぞう先生冷えもむくみも、それぞれ別の対策グッズを探し回るより、「外側と内側、両方の流れを良くする」というシンプルな視点で見た方が、ずっと分かりやすくなると思います。今日から、両方を意識してみてください。
みなみ
みなみ道具を選ぶときも、この考え方が使えそうですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その通りです。着圧ソックスは外側から支える道具、水分の摂り方は内側を整える工夫。どちらか一方だけを頑張るのではなく、両方セットで考える。今日お話しした「外側・内側」という視点さえ持っていれば、道具選びで迷うことも減っていくはずです。

強い痛みやしびれがある場合は、まず医療機関を受診してください。検査で異常なしと言われたのに不調が続く方、そこからが当サイトの領域の出番です。あきらめる必要はありません。

その不調、寝具のせいだけじゃないかもしれません。身体の状態を整えた上で、自分に合った環境を選ぶことが大切です。


執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴13年・延べ2万7千人以上)

※この記事の内容は一般的な情報提供であり、診断や治療の代わりにはなりません。

よくある質問

Q. 冷え性なのですが、むくみもチェックした方がいいですか?

はい。冷えとむくみは根っこがほとんど同じなので、冷えを感じている方は、むくみのサインも一緒に確認してみることをおすすめします。片方だけ対策していると、もう片方が見過ごされていることがあります。

Q. 外側と内側、どちらを先に対策すればいいですか?

どちらが先ということはありません。同時に少しずつ取り組むのが現実的です。今日紹介した早見表で、より強く当てはまる方から意識してみてください。

Q. 水分を摂っているのに、むくみも冷えも変わりません。

外側の問題(筋肉の硬さ)が強く残っている可能性があります。水分だけでなく、座りっぱなし・立ちっぱなしの時間を見直し、こまめに身体を動かす習慣もあわせて取り入れてみてください。

Q. むくみタイプ診断とは、どう違うんですか?

むくみのタイプ分け(筋肉ポンプ型・冷え型・塩分型・水分タイミング型)は、今日お話しした「外側・内側」という根っこの構造を、さらに具体的な生活パターンに落とし込んだものです。両方あわせて読んでいただくと、より自分に合った対策が見つかりやすくなります。

Q. 外側と内側、どちらの人が多いですか?

一概には言えませんが、施術の現場で見ていると、デスクワーク中心の方は外側(筋肉の硬さ)、忙しくて水分補給を後回しにしがちな方は内側(水分不足)が強く出ている傾向があります。ただし、両方が重なっているケースも珍しくないため、まずは早見表でご自身の傾向を確認してみてください。