姿勢・骨格

[#26]雨の前に頭が痛くなるのはなぜ?「ポテチの袋」で分かる気圧と頭痛と姿勢の話

雨雲の見える窓辺でこめかみを押さえるみなみと、気圧で膨らんだお菓子の袋のイラスト

文=けんぞう(美容整体師・小顔矯正士/施術歴23年・延べ4万5千人)

こんにちは、整体師のけんぞうです。

「明日、雨だね」と天気予報より先に、自分の頭痛で気づく——そんな方、施術の現場でも本当に多くいらっしゃいます。台風の前、雨の前、季節の変わり目。決まって頭が重くなり、ズキズキして、ひどい日は眠れない。

そして多くの方が、こう諦めています。「天気のせいだから、仕方ない」と。

たしかに天気は変えられません。でも、施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきた経験から言えるのは、同じ気圧の変化を受けても、頭痛が出る人と出ない人がいるということ。その差はどこにあるのか。今日は「飛行機のポテチの袋」の話から始めて、その答えまでお話しします。

気圧と頭痛の関係——「ポテチの袋」を思い出してください

みなみ
みなみけんぞう先生、私、雨の前になると頭が痛くなるんです。天気アプリより正確かも(笑)。あれって、どういう仕組みなんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生お、それを説明するのにぴったりの例えがあります。みなみさん、飛行機に乗った時、持ち込んだポテチの袋がパンパンに膨らんでいるのを見たことありませんか?
みなみ
みなみあります! 破裂しそうなくらい膨らんでて、びっくりしました。
けんぞう先生
けんぞう先生あれ、袋の中の空気が増えたわけじゃないんです。上空では外の気圧が下がる——つまり外から押さえる力が弱くなるので、中のものが相対的に膨らむんですね。そして、雨や台風の前に起きる「低気圧」も、規模は小さいですが同じ方向の変化です。外から身体を押さえていた力が、ふっと弱まる。
みなみ
みなみ私の身体も、ポテチの袋みたいに…?
けんぞう先生
けんぞう先生ざっくり言えば、そういうイメージです。外からの圧が弱まると、身体の中の血管はゆるんで広がりやすくなる。広がった血管がまわりの神経を刺激することが、ズキズキする頭痛の背景のひとつとして説明されることがあります。難しい話はここまでにしますが、「外の圧が下がる→中がゆるんで広がる」、このポテチの袋のイメージだけ持って帰ってください。

じゃあなぜ、頭痛にならない人がいるの?

みなみ
みなみでも先生、気圧って全員に平等ですよね? 同じ低気圧の日でも、平気な人は平気なのはなぜですか?
けんぞう先生
けんぞう先生そこです。今日いちばん考えてほしいのは、まさにその質問なんです。気圧は全員に同じようにかかる。それなのに差が出るということは、気圧の側ではなく、受け止める身体の側に差があるということですよね。
みなみ
みなみ身体の側の差…。
けんぞう先生
けんぞう先生キーワードは「余白」です。頭に出入りする血液は、首や肩まわりを通ります。普段から首・肩の筋肉がやわらかく、血の巡りに余裕がある人は、気圧で多少揺さぶられても受け流せる。ところが、普段から首肩がガチガチに固まって、巡りの通り道が細くなっている人は——ただでさえ余裕がないところに気圧の揺さぶりが来るので、簡単にあふれてしまう。
みなみ
みなみあ…前に教わったストローの話だ。細いストローで濃いスムージー、みたいな。
けんぞう先生
けんぞう先生いい復習です(笑)。血管やリンパ管をストローに例えた、あの話とつながっています。天気の日だけ問題が起きているように見えて、実は普段の巡りの余白が少ない人ほど、気圧の変化に弱いんです。

首肩の「余白」を奪っている犯人は、姿勢

みなみ
みなみじゃあ、私の首肩の余白が少ないのは、なんでなんでしょう…。
けんぞう先生
けんぞう先生ここで出てくるのが、当サイトでおなじみの話——姿勢です。スマホやPCをのぞき込む前かがみの姿勢、授乳や抱っこで丸くなった背中、内側に巻いた肩。頭が本来の位置より前に出ると、首や肩の筋肉は、重たい頭を一日中支え続けることになります。休みなく働き続ける筋肉は固くなり、その中を通る巡りの通り道は細くなる。
みなみ
みなみ余白が、毎日の姿勢で削られてたんですね…。
けんぞう先生
けんぞう先生そういうことです。そして夜も油断できません。高すぎる枕やダンゴムシ寝で首が丸まったまま眠っていれば、首まわりは一晩中固まったまま。日中も夜も余白を削り続けた身体に、低気圧がとどめを刺しに来る——雨の前の頭痛の正体は、この積み重ねであることが多いんです。

台風は止められない。でも、身体の側は変えられる

みなみ
みなみ天気のせいだと思って、薬を飲んでやり過ごすしかないと思ってました…。
けんぞう先生
けんぞう先生つらい時に薬で対処すること自体は、間違いではありません。ただ、それだけだと毎回「来たら耐える」の繰り返しになってしまう。並行して、受け止める側の余白を育てることをおすすめしたいんです。ポイントは3つ。

余白を育てる3つのポイント

  1. 日中、頭を身体の真上に戻す時間を作る:スマホ・PC作業の合間に、顔を上げて頭を肩の真上に戻し、大きくひと伸び。1時間に1回、10秒でいい。「頭の位置をリセットする回数」を増やすことが、首肩の残業時間を減らします
  2. 首肩まわりを温めて、巡りの通り道をゆるめる:湯船にゆっくり浸かる、蒸しタオルを首の後ろに当てる。特に「明日は天気が崩れそう」という日の夜は、先回りのケアが効きます
  3. 寝ている間の首の形を見直す:高すぎる枕・ダンゴムシ寝は、夜の間じゅう余白を削ります。枕の高さと寝姿勢は、天気頭痛対策としても効いてくる土台です
けんぞう先生
けんぞう先生首肩のこりと睡眠の関係は、こちらの記事でも詳しく話しています。
みなみ
みなみ「天気を予測して備える」んじゃなくて、「天気が来ても平気な身体に近づける」って発想なんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その通り。天気予報アプリで低気圧に怯える毎日から、少しずつ卒業していきましょう。
自分のタイプが分からない?

ねっこ診断(6問・1分)で、身体の土台のどこに負担が集まりやすいかチェックできます。

まとめ——雨の前の頭痛は「気圧×余白」で決まる

みなみ
みなみ頭痛の話を聞きに来たのに、また姿勢と枕の話に戻ってきました(笑)。
けんぞう先生
けんぞう先生ここが身体の土台の面白いところで、どの悩みから掘っても、だいたい同じ根っこに行き着くんですよ。

※大切なお願いです。突然の激しい頭痛、いつもと明らかに違う頭痛、手足のしびれ・ろれつが回らない等を伴う頭痛は、迷わずすぐに医療機関へ。また、片頭痛と診断されている方・頭痛が頻繁に続く方は、医師による診断と治療が最優先です。この記事の内容は、日常の身体づくりの観点からの一般的な情報提供であり、診断や治療の代わりにはなりません。

このサイトでは、寝具や表面的な対処だけでなく、身体の土台から不調と睡眠を考えるヒントをお届けしています。天気に振り回される毎日も、根っこから見直していきましょう。

執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)