姿勢・骨格

産後の骨盤ベルト、選び方と向き合い方。整体師が教える「焦らない」選択

産後の骨盤ベルトの選び方

文=けんぞう(美容整体師・小顔矯正士/施術歴13年・延べ2万7千人以上)

ねっこぼうず

ねっこぼうずより

骨盤ベルト、いつから、どれを着ければいいか迷ってる? あせらずに選ぶためのお話をしようねっこ。

けんぞう先生と、根っこから一緒に見ていこう。

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産後、骨盤ベルトを着けた方がいいと聞くけれど、いつから・どれを選べばいいのか迷いますよね。こんにちは、整体師のけんぞうです。美容・健康業界歴18年、施術歴13年・延べ2万7千人以上の身体と向き合ってきました。この記事では、骨盤ベルトの役割と、焦らずに選ぶためのポイントをお伝えします。
みなみ
みなみ先生、以前教えてもらった「産後の骨盤は焦って閉めなくていい」というお話、すごく安心したんです。でも実際、骨盤ベルトを使ってる人も多いですし、うちも一応1本持ってはいて……。これって、結局使った方がいいものなんでしょうか?
けんぞう先生
けんぞう先生いい質問ですね。結論から言うと、骨盤ベルトは「使わないと不調が続く」ものでも「使えば全部解決する」ものでもありません。以前お伝えした「支える」という視点、覚えていますか?
みなみ
みなみはい、「締める」んじゃなくて「支える」んですよね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。骨盤ベルトの役割も、まさにそこにあります。今日はその役割と、数ある商品の中からどう選べばいいかを一緒に整理していきましょう。

骨盤ベルトは「治すもの」ではなく「支えるもの」

けんぞう先生
けんぞう先生骨盤ベルトは、ゆるんだ骨盤まわりを外側からそっと支えて、日常動作の負担を軽くするための道具です。抱っこや家事で骨盤まわりに負担がかかりやすい時期に、その負担を分散してくれるイメージですね。
みなみ
みなみ骨盤を「治す」道具ではないんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生はい。以前お話しした通り、リラキシンの影響で骨盤まわりがゆるんでいる期間に、ベルトだけで骨盤の状態を根本から変えることはできません。筋肉や骨格がゆるんでいる時期に、それを支えて動きやすくするためのサポートとして、という位置づけでご利用ください。正直にお伝えすると、骨格の矯正効果はほぼないと思っていただいて大丈夫です。
みなみ
みなみえっ、矯正効果はないんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生ここは誤解されやすいところなんです。もしベルトで矯正効果を求めようとすると、だいぶきつく、そして長時間締め続けなければいけません。そうすると今度は血液の循環やリンパの流れが悪くなって、いわゆる「うっ血」の状態になり、かえって身体に良くないことが多いんですね。だからベルトは「締めて矯正するもの」ではなく、あくまでその期間を少しでも楽に過ごすための「サポート役」。枕やマットレスと同じで、これも「選択肢」のひとつだと思ってください。
みなみ
みなみ「これさえ着ければ大丈夫」ではないんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その通りです。だから「1日でも早く着けないと」と焦る必要はまったくありません。ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、無理なく取り入れられるものを選ぶことが大切です。焦って強く締め続けている方と、必要な場面だけ支えにしている方。数年後の身体は、驚くほど違ってきますよ。

骨盤ベルトを選ぶときに見るポイント

けんぞう先生
けんぞう先生選ぶときに見てほしいポイントは3つです。

①締め付けの調整ができるか

けんぞう先生
けんぞう先生骨盤まわりの状態は日によっても変わりますし、産後の回復段階によっても変わっていきます。マジックテープなどで締め付けの強さを細かく調整できるタイプだと、その日の体調に合わせやすくて安心です。強く締めすぎると血行や呼吸に影響することもあるので、「支える」程度に調整できることが重要です。

②着け心地・素材

けんぞう先生
けんぞう先生長時間身につけるものなので、蒸れにくい素材か、肌に直接当たる部分の感触はどうか、というのも大事なポイントです。特に夏場や汗をかきやすい時期は、通気性のいい素材を選ぶと続けやすくなります。

③自分の体型に合うサイズ展開があるか

けんぞう先生
けんぞう先生産後は体型が変化しやすい時期なので、サイズ展開が細かい、あるいは調整幅が広い商品の方が、体型の変化に対応しやすいです。購入前にウエストやヒップのサイズを測っておくことをおすすめします。
みなみ
みなみなるほど、この3つを見ればいいんですね。

見落とされがちな「巻く位置」

けんぞう先生
けんぞう先生選び方と同じくらい大事なことを、もう一つお伝えしておきたいんです。骨盤ベルトは、どこに巻くかで支える力がまったく違ってきます。
みなみ
みなみ位置、ですか?なんとなく腰のあたりに巻けばいいのかと思ってました。
けんぞう先生
けんぞう先生実はそこ、多くの方が誤解しているポイントなんです。骨盤の知識がないと、なんとなく「この辺かな」という感覚で巻いてしまうことがほとんどだと思います。ただ、出産で実際にゆるんで開くのは、坐骨――お尻の下にあるゴリゴリした2つの骨――のあたりなんですね。これは自然分娩でも帝王切開でも変わりません。

一方で、腰の前の出っ張り、いわゆる腰骨と呼ばれる部分は、出産で開く場所ではないんです。そこに巻いても、本来支えたい場所とはズレてしまい、あまり意味がありません。

骨盤ベルトを巻く正しい位置(坐骨まわり) けんぞう先生が骨盤模型を持って解説
みなみ
みなみ言われてみると、なんとなく腰骨のあたりに巻いてました……。
けんぞう先生
けんぞう先生多くの方がそうだと思います。目安としては、「え、こんなに下に巻くの?」「ちょっと歩きにくいかも」と感じるくらいの位置が、実はちょうどいいことが多いんです。
みなみ
みなみそんなに下だとは思いませんでした。
けんぞう先生
けんぞう先生正確な位置は商品ごとに説明書で詳しく案内されているので、必ずそちらも確認しながら、今日お伝えした「坐骨のあたり」という目安を参考にしてみてください。

いつから、いつまで? 時期で変わる骨盤ベルトの使い方

みなみ
みなみ先生、そもそも骨盤ベルトって、いつから着けていいんですか? 3人目のときは「なんとなく1か月健診のあとかな」と思っていて。
けんぞう先生
けんぞう先生実は、産後すぐから使えます。ただ、時期によって使い方が少し変わるんです。

産後すぐ〜2か月ごろ:不安定なら「ダブル巻き」

けんぞう先生
けんぞう先生産後すぐから2か月ぐらいまでは、骨盤まわりが一番不安定な時期です。ベルト1本だとグラグラして、つい強く巻きたくなってしまう。そういう方には、骨盤ベルトにアンダーベルトを足した「ダブル巻き」をおすすめしています。
みなみ
みなみアンダーベルト?
けんぞう先生
けんぞう先生恥骨の側、骨盤の前の下の方を支えるベルトです。前と後ろの両方から支えることで、1本をぎゅっと強く締めなくても安定しやすくなるんです。

産後2〜3か月ごろから:骨盤ベルト1本で

けんぞう先生
けんぞう先生2〜3か月たって少し落ち着いてきたら、骨盤ベルト1本で十分だと思います。

いつまで? 目安は「安定感が戻ってきたら」

みなみ
みなみじゃあ、いつまで着けるんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生人によって違いますが、半年くらいから1年くらいまでが目安です。何か月と決めるより、股関節や腰まわりの安定感が戻ってきた感じがあれば、外していって大丈夫ですよ。

傷や出血、痛みがある方は

けんぞう先生
けんぞう先生帝王切開や会陰の傷がある方、出血や痛みがある方は、傷口を圧迫しないように気をつけてください。一人ひとり状態が違うので、使っていいか・どう巻くかは、産科の先生や助産師さんに確認してからにしてくださいね。
時期使い方の目安
産後すぐ〜2か月ごろ不安定なら、骨盤ベルト+アンダーベルト(恥骨側を支える)のダブル巻き
産後2〜3か月ごろ〜骨盤ベルト1本で
半年〜1年ごろ股関節・腰まわりの安定感が戻ってきたら、外していく
傷・出血・痛みがあるとき傷口を圧迫しない。産科医・助産師に確認

寝るときは着けていい?

みなみ
みなみ夜はどうしたらいいですか? 3人目を産んだばかりの頃、寝返りのたびに骨盤がズキッとして……。
けんぞう先生
けんぞう先生妊娠中から、お母さんの身体はどんどん変わっていきます。赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなって、お腹の中にスペースを作ろうとする。そのために、ふだん関節や骨と骨のつなぎ目を固定している靭帯や筋肉が伸びていくんです。これが、骨盤の不安定感につながっています。
けんぞう先生
けんぞう先生産後しばらくはその状態が続きます。寝ている間の不安定感が気になる、寝起きに起き上がるとき骨盤が痛い・グラグラする、寝返りが打ちにくくて眠りにくい。こういう場合は、締めすぎないようにして、寝るときに骨盤ベルトを使っても大丈夫です。
みなみ
みなみ夜も着けていいんですね。でも、きつく締めるのはダメ、と。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。寝ている間も、役目は「支える」だけで十分。先ほどお話ししたとおり、強く締め続けると血液やリンパの流れを妨げてしまうので、夜は特に「締めすぎない」を意識してください。

タイプ別・骨盤ベルト3選

けんぞう先生
けんぞう先生ここからは、先ほどの3つのポイントを踏まえて、タイプ別に現実的な選択肢を紹介します。念のためお伝えしておくと、「これを着ければ骨盤が治る」という商品ではありません。それぞれの向き・不向きを正直にお伝えするので、ご自身の状況と照らして選んでください。

①帝王切開の方にも:ピジョン「守って締める ふわキュット骨盤ベルト」

けんぞう先生
けんぞう先生帝王切開での出産にも対応した設計になっている骨盤ベルトです。傷口に配慮した作りになっているので、帝王切開だった方でも検討しやすいタイプです。

向いている人

  • 帝王切開で出産した人
  • まずは手頃な価格帯から試してみたい人

向いていない人

  • より強めのサポート力を求めている人(比較的やわらかめの着け心地です)

価格の目安:3,447円(税込)

②実績重視の方に:トコちゃんベルト2

けんぞう先生
けんぞう先生助産院や整体の現場でも名前が挙がることが多い、産前産後ベルトの定番商品です。レビュー件数が6,000件を超えていて、長年多くの方に使われてきた実績があります。

向いている人

  • 実績や口コミの多さを重視したい人
  • 産前から使えるベルトを探している人

向いていない人

  • 価格をできるだけ抑えたい人(他の2つと比べるとやや高め)

価格の目安:7,200円(税込・Mサイズ/H80〜88cm)

②に添えて|ダブル巻きをする方に:トコちゃんのふわぴたベルト

けんぞう先生
けんぞう先生トコちゃんベルトと同じ青葉の、骨盤の下の方を支えるベルトです。伸縮する生地とやわらかい生地の組み合わせで厚みが出にくく、メーカーも「トコちゃんベルトとのダブル巻き」や「寝るとき」の使い方を案内しています。産後すぐ〜2か月ごろ、ベルト1本だと不安定な方の組み合わせの候補です。以前の「アンダーベルトRENEW」の後継品にあたります。

向いている人

  • 産後2か月ごろまで、骨盤ベルト1本だと不安定で強く巻きたくなる人
  • 寝ている間や寝起きの、骨盤の不安定感が気になる人

向いていない人

  • ベルト1本で安定感を感じられている人(無理に買い足す必要はありません)

価格の目安:3,300円(税込・メーカー希望小売価格)

③伸縮性・着け心地重視の方に:助産師監修 伸縮ダブルベルト

けんぞう先生
けんぞう先生助産師監修という背景があり、伸縮性のあるダブルベルト構造で身体に沿いやすい設計です。価格も比較的手に取りやすく、レビュー件数も多いタイプです。

向いている人

  • 伸縮性のあるフィット感を重視したい人
  • コストを抑えつつレビュー実績も見て選びたい人

向いていない人

  • しっかりした固定感を最優先したい人(伸縮性がある分、締め付け感は控えめです)

価格の目安:2,180円(税込)

骨盤ベルトを使う上での注意点

けんぞう先生
けんぞう先生最後に、必ず知っておいてほしいことをお伝えします。悪露が多い時期や、傷の痛みが強い時期は、無理にベルトを着けず身体を休めることを優先してください。また、締め付けすぎて痛みやしびれ、息苦しさを感じる場合はすぐに使用を中止してください。
みなみ
みなみ自己判断で頑張りすぎないことが大事なんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その通りです。産後の身体は専門家によって状態の見方も変わってくるので、迷ったときは産婦人科や、骨盤ケアに詳しい専門家に相談しながら使うのが安心ですよ。

骨盤ベルトより先に見てほしいもの

けんぞう先生
けんぞう先生最後に、これだけはお伝えしておきたいんです。骨盤ベルトの相談は、実はお客様の中でもよくいただくお話でして。NICUや小児科で働いている看護師さんや助産師さんも、施術にいらっしゃる中でこういったお話をさせていただく機会が多いんですね。
みなみ
みなみ看護師さんや助産師さんも、相談されるんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生はい。皆さん専門職としてお客さんに接している立場だからこそ、逆にご自身の骨盤ベルトの選び方や使い方には迷うことがあるようで。それで、骨盤ベルトの役割や巻く位置の話をさせていただくと、「職場に帰って患者さんにお話ししたら、とても良い反応をいただけた」と言っていただくことがよくあるんです。
みなみ
みなみ専門家の方にも、実際に役立つ内容なんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生ただ、その時に必ずお伝えしているのが、骨盤ベルトはあくまで「補助」だということです。本当に大事なのは、普段の座り方や立ち方、姿勢そのもの。以前お話しした「骨盤が立つと頭の位置も整いやすくなる」という話、覚えていますか?
みなみ
みなみはい、座り姿勢と肩こりの話でしたよね。
けんぞう先生
けんぞう先生あの土台がまずあって、骨盤ベルトはその上に足す「補助」なんです。姿勢を整えないまま骨盤ベルトだけに頼っても、負担のかかり方自体は変わりません。順番としては、普段の姿勢を意識することが第一、骨盤ベルトはその後押しとして取り入れる。この優先順位を忘れないでいただきたいんです。
みなみ
みなみベルトさえ着けていれば大丈夫、じゃないんですね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうなんです。骨盤ベルトも、枕やマットレスと同じで「選択肢のひとつ」。まずは日々の姿勢という土台を大切にして、そこに無理なく足せるものとして骨盤ベルトを取り入れてもらえたらと思います。ベルトに頼りきっていた方が、姿勢を整えることを優先するようになって、数ヶ月後「あれ、最近ベルトなしでも平気かも」とおっしゃることが、これまで何度もありました。

よくある質問

Q. 骨盤ベルトはいつから着けられますか?

産後すぐから使えます。産後2か月ごろまでは、ベルト1本だと不安定で強く巻きたくなる場合、骨盤ベルトとアンダーベルト(恥骨側を支えるベルト)のダブル巻きもおすすめです。帝王切開や会陰の傷、出血や痛みがある方は、傷口を圧迫しないよう注意し、産科医や助産師に確認してから使ってください。

Q. いつまで着ければいいですか?

目安は半年〜1年ほどで、個人差があります。股関節や腰まわりの安定感が戻ってきた感じがあれば、外していって大丈夫です。

Q. 寝るときも着けていいですか?

寝ている間の不安定感が気になる、寝起きに骨盤が痛む、寝返りが打ちにくいといった場合は、締めすぎないようにして使っても大丈夫です。

Q. 帝王切開でも使えますか?

帝王切開に対応した設計の商品もあります。傷口を圧迫しないよう注意し、使ってよいか・巻き方は、産科医や助産師に確認してください。

こんな時は、まず医療機関へ

次のような場合は、骨盤ベルトの使用より先に、医療機関で相談してください。

これらは産婦人科や整形外科で相談すべき状態です。

検査で異常なしと言われたのに不調が続く方、そこからが当サイトの領域の出番です。あきらめる必要はありません。

その不調、寝具のせいだけじゃないかもしれません。身体の状態を整えた上で、自分に合った環境を選ぶことが大切です。

まとめ:骨盤ベルトは「支える選択肢」のひとつ

けんぞう先生
けんぞう先生今日のポイントをまとめますね。
みなみ
みなみ「絶対に必要」でも「絶対にいらない」でもなく、自分に合えば使えばいいものなんですね。気が楽になりました。
けんぞう先生
けんぞう先生その感覚が一番大切です。焦らず、ご自身の身体と相談しながら選んでくださいね。

最後に、要点だけもう一度

▶ この記事で紹介した骨盤ベルトのタイプ別比較はこちら


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。体調に不安がある場合や強い痛みが続く場合は、医療機関にご相談ください。

執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴13年・延べ2万7千人以上)

ねっこぼうずのひとこと

骨盤ベルトは、支えるための道具。あせって着けなくていいから、身体と相談しながら選んでねっこ。