[#14]産後の骨盤ベルト、選び方と向き合い方。整体師が教える「焦らない」選択
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産後、骨盤ベルトを着けた方がいいと聞くけれど、いつから・どれを選べばいいのか迷いますよね。こんにちは、整体師のけんぞうです。施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきました。この記事では、骨盤ベルトの役割と、焦らずに選ぶためのポイントをお伝えします。
もくじ
みなみ先生、以前教えてもらった「産後の骨盤は焦って閉めなくていい」というお話、すごく安心したんです。でも実際、骨盤ベルトを使ってる人も多いですし、うちも一応1本持ってはいて……。これって、結局使った方がいいものなんでしょうか?
けんぞう先生いい質問ですね。結論から言うと、骨盤ベルトは「使わないと不調が続く」ものでも「使えば全部解決する」ものでもありません。以前お伝えした「支える」という視点、覚えていますか?
みなみはい、「締める」んじゃなくて「支える」んですよね。
けんぞう先生そうです。骨盤ベルトの役割も、まさにそこにあります。今日はその役割と、数ある商品の中からどう選べばいいかを一緒に整理していきましょう。
骨盤ベルトは「治すもの」ではなく「支えるもの」
けんぞう先生骨盤ベルトは、ゆるんだ骨盤まわりを外側からそっと支えて、日常動作の負担を軽くするための道具です。抱っこや家事で骨盤まわりに負担がかかりやすい時期に、その負担を分散してくれるイメージですね。
みなみ骨盤を「治す」道具ではないんですね。
けんぞう先生はい。以前お話しした通り、リラキシンの影響で骨盤まわりがゆるんでいる期間に、ベルトだけで骨盤の状態を根本から変えることはできません。筋肉や骨格がゆるんでいる時期に、それを支えて動きやすくするためのサポートとして、という位置づけでご利用ください。正直にお伝えすると、骨格の矯正効果はほぼないと思っていただいて大丈夫です。
みなみえっ、矯正効果はないんですか?
けんぞう先生ここは誤解されやすいところなんです。もしベルトで矯正効果を求めようとすると、だいぶきつく、そして長時間締め続けなければいけません。そうすると今度は血液の循環やリンパの流れが悪くなって、いわゆる「うっ血」の状態になり、かえって身体に良くないことが多いんですね。だからベルトは「締めて矯正するもの」ではなく、あくまでその期間を少しでも楽に過ごすための「サポート役」。枕やマットレスと同じで、これも「選択肢」のひとつだと思ってください。
みなみ「これさえ着ければ大丈夫」ではないんですね。
けんぞう先生その通りです。だから「1日でも早く着けないと」と焦る必要はまったくありません。ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、無理なく取り入れられるものを選ぶことが大切です。
骨盤ベルトを選ぶときに見るポイント
けんぞう先生選ぶときに見てほしいポイントは3つです。
①締め付けの調整ができるか
けんぞう先生骨盤まわりの状態は日によっても変わりますし、産後の回復段階によっても変わっていきます。マジックテープなどで締め付けの強さを細かく調整できるタイプだと、その日の体調に合わせやすくて安心です。強く締めすぎると血行や呼吸に影響することもあるので、「支える」程度に調整できることが重要です。
②着け心地・素材
けんぞう先生長時間身につけるものなので、蒸れにくい素材か、肌に直接当たる部分の感触はどうか、というのも大事なポイントです。特に夏場や汗をかきやすい時期は、通気性のいい素材を選ぶと続けやすくなります。
③自分の体型に合うサイズ展開があるか
けんぞう先生産後は体型が変化しやすい時期なので、サイズ展開が細かい、あるいは調整幅が広い商品の方が、体型の変化に対応しやすいです。購入前にウエストやヒップのサイズを測っておくことをおすすめします。
みなみなるほど、この3つを見ればいいんですね。
見落とされがちな「巻く位置」
けんぞう先生選び方と同じくらい大事なことを、もう一つお伝えしておきたいんです。骨盤ベルトは、どこに巻くかで支える力がまったく違ってきます。
みなみ位置、ですか?なんとなく腰のあたりに巻けばいいのかと思ってました。
けんぞう先生実はそこ、多くの方が誤解しているポイントなんです。骨盤の知識がないと、なんとなく「この辺かな」という感覚で巻いてしまうことがほとんどだと思います。ただ、出産で実際にゆるんで開くのは、坐骨――お尻の下にあるゴリゴリした2つの骨――のあたりなんですね。これは自然分娩でも帝王切開でも変わりません。
一方で、腰の前の出っ張り、いわゆる腰骨と呼ばれる部分は、出産で開く場所ではないんです。そこに巻いても、本来支えたい場所とはズレてしまい、あまり意味がありません。
みなみ言われてみると、なんとなく腰骨のあたりに巻いてました……。
けんぞう先生多くの方がそうだと思います。目安としては、「え、こんなに下に巻くの?」「ちょっと歩きにくいかも」と感じるくらいの位置が、実はちょうどいいことが多いんです。
みなみそんなに下だとは思いませんでした。
けんぞう先生正確な位置は商品ごとに説明書で詳しく案内されているので、必ずそちらも確認しながら、今日お伝えした「坐骨のあたり」という目安を参考にしてみてください。
タイプ別・骨盤ベルト3選
けんぞう先生ここからは、先ほどの3つのポイントを踏まえて、タイプ別に現実的な選択肢を紹介します。念のためお伝えしておくと、「これを着ければ骨盤が治る」という商品ではありません。それぞれの向き・不向きを正直にお伝えするので、ご自身の状況と照らして選んでください。
①帝王切開の方にも:ピジョン「守って締める ふわキュット骨盤ベルト」
けんぞう先生帝王切開での出産にも対応した設計になっている骨盤ベルトです。傷口に配慮した作りになっているので、帝王切開だった方でも検討しやすいタイプです。
向いている人
- 帝王切開で出産した人
- まずは手頃な価格帯から試してみたい人
向いていない人
- より強めのサポート力を求めている人(比較的やわらかめの着け心地です)
価格の目安:3,447円(税込)
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②実績重視の方に:トコちゃんベルト2
けんぞう先生助産院や整体の現場でも名前が挙がることが多い、産前産後ベルトの定番商品です。レビュー件数が6,000件を超えていて、長年多くの方に使われてきた実績があります。
向いている人
- 実績や口コミの多さを重視したい人
- 産前から使えるベルトを探している人
向いていない人
- 価格をできるだけ抑えたい人(他の2つと比べるとやや高め)
価格の目安:7,200円(税込・Mサイズ/H80〜88cm)
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③伸縮性・着け心地重視の方に:助産師監修 伸縮ダブルベルト
けんぞう先生助産師監修という背景があり、伸縮性のあるダブルベルト構造で身体に沿いやすい設計です。価格も比較的手に取りやすく、レビュー件数も多いタイプです。
向いている人
- 伸縮性のあるフィット感を重視したい人
- コストを抑えつつレビュー実績も見て選びたい人
向いていない人
- しっかりした固定感を最優先したい人(伸縮性がある分、締め付け感は控えめです)
価格の目安:2,180円(税込)
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骨盤ベルトを使う上での注意点
けんぞう先生最後に、必ず知っておいてほしいことをお伝えします。悪露が多い時期や、傷の痛みが強い時期は、無理にベルトを着けず身体を休めることを優先してください。また、締め付けすぎて痛みやしびれ、息苦しさを感じる場合はすぐに使用を中止してください。
みなみ自己判断で頑張りすぎないことが大事なんですね。
けんぞう先生その通りです。産後の身体は専門家によって状態の見方も変わってくるので、迷ったときは産婦人科や、骨盤ケアに詳しい専門家に相談しながら使うのが安心ですよ。
骨盤ベルトより先に見てほしいもの
けんぞう先生最後に、これだけはお伝えしておきたいんです。骨盤ベルトの相談は、実はお客様の中でもよくいただくお話でして。NICUや小児科で働いている看護師さんや助産師さんも、施術にいらっしゃる中でこういったお話をさせていただく機会が多いんですね。
みなみ看護師さんや助産師さんも、相談されるんですか?
けんぞう先生はい。皆さん専門職としてお客さんに接している立場だからこそ、逆にご自身の骨盤ベルトの選び方や使い方には迷うことがあるようで。それで、骨盤ベルトの役割や巻く位置の話をさせていただくと、「職場に帰って患者さんにお話ししたら、とても良い反応をいただけた」と言っていただくことがよくあるんです。
みなみ専門家の方にも、実際に役立つ内容なんですね。
けんぞう先生ただ、その時に必ずお伝えしているのが、骨盤ベルトはあくまで「補助」だということです。本当に大事なのは、普段の座り方や立ち方、姿勢そのもの。以前お話しした「骨盤が立つと頭の位置も整いやすくなる」という話、覚えていますか?
みなみはい、座り姿勢と肩こりの話でしたよね。
けんぞう先生あの土台がまずあって、骨盤ベルトはその上に足す「補助」なんです。姿勢を整えないまま骨盤ベルトだけに頼っても、負担のかかり方自体は変わりません。順番としては、普段の姿勢を意識することが第一、骨盤ベルトはその後押しとして取り入れる。この優先順位を忘れないでいただきたいんです。
みなみベルトさえ着けていれば大丈夫、じゃないんですね。
けんぞう先生そうなんです。骨盤ベルトも、枕やマットレスと同じで「選択肢のひとつ」。まずは日々の姿勢という土台を大切にして、そこに無理なく足せるものとして骨盤ベルトを取り入れてもらえたらと思います。
まとめ:骨盤ベルトは「支える選択肢」のひとつ
けんぞう先生今日のポイントをまとめますね。
- 骨盤ベルトは骨盤を「治す」道具ではなく、日常動作の負担を「支える」道具
- 「早く着けなきゃ」と焦る必要はない。無理なく取り入れられるものを選ぶ
- 選ぶときは「締め付けの調整」「着け心地・素材」「サイズ展開」の3つを見る
- 帝王切開なら①、実績重視なら②、伸縮性・価格重視なら③
- 骨盤ベルトはあくまで「補助」。普段の座り方・姿勢という土台が最優先
- 悪露が多い時期や強い痛みがあるときは無理に使わず、専門家に相談を
みなみ「絶対に必要」でも「絶対にいらない」でもなく、自分に合えば使えばいいものなんですね。気が楽になりました。
けんぞう先生その感覚が一番大切です。焦らず、ご自身の身体と相談しながら選んでくださいね。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。体調に不安がある場合や強い痛みが続く場合は、医療機関にご相談ください。
執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)

