[#13]枕を変えても肩こりが取れない人へ。実はマットレスとの相性かもしれません
枕はいくつも試したのに、朝の肩や首のつらさがちっとも変わらない。そんな経験はありませんか。こんにちは、整体師のけんぞうです。施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきました。この記事では、枕選びだけでは見落とされがちな「マットレスとの相性」について、実際にあった例を交えてお伝えします。
みなみ先生、実はうちの父の話なんですけど……。会社を経営してる64歳で、もう何十年も付き合いでゴルフをしているような人なんですけど、昔から腰痛持ちで。最近はヘルニアとか坐骨神経痛の診断も受けてて、出張や旅行のたびに「宿のベッドが合わなくて眠れなかった」ってボヤいてるんです。
けんぞう先生それ、実はすごくよくある話なんです。しかも「枕」の相談は多いのに、「マットレス」の相談って意外と後回しにされがちなんですよ。お父様の場合、腰痛やヘルニアの既往があるとのことなので、マットレスとの相性が体感としてかなり出やすいタイプだと思います。
みなみ父はいつも「枕は変えてみたんだけど」って言ってるんですけど、マットレスまでは全然見直してなくて……。
けんぞう先生枕を見直す方はすごく多いんですが、実はマットレスとセットで考えないと、片方だけ直しても効果が出にくいことがあるんです。今日はその理由を一緒に見ていきましょう。
枕だけ見直しても変わらない理由
けんぞう先生以前、枕についての記事で「枕は正しい骨格で眠りに入るための環境」というお話をしました。覚えていますか?
みなみはい、枕自体が不調を治すわけじゃなくて、あくまで骨格を支える道具、という話でしたよね。
けんぞう先生そうです。実はマットレスも、まったく同じ役割を担っています。人の背骨は「前弯・後弯・前弯」というゆるやかなS字カーブを描いていて、このカーブのおかげで、重い頭や上半身を「骨で」支えられるようになっています。仰向けで寝るとき、このS字カーブを保ったまま眠れるかどうかは、枕の高さだけでなく、身体を下から支えるマットレス側の状態にも大きく左右されるんです。
みなみ枕は上から、マットレスは下から、両方でカーブを支えている、ということですか。
けんぞう先生まさにそのイメージです。どんなに枕で首の高さを合わせても、マットレスが身体に合っていなければ、腰やお尻のあたりが沈み込みすぎたり、逆に浮いてしまったりして、S字カーブそのものが崩れてしまいます。土台が崩れていては、枕がいくらがんばっても限界があるんです。
マットレスが合っていないサイン
みなみどうやったら、マットレスが合っていないって分かるんでしょうか?
けんぞう先生いくつか分かりやすいサインがあります。ご自身やお父様に当てはまるものがないか、見てみてください。
沈み込みすぎているサイン
- 仰向けで寝ると、お尻や腰のあたりが沈んで、身体が「くの字」に折れているように感じる
- 横向きで寝ると、肩や腰が深く沈み込んで、抜け出しにくい感覚がある
- 朝起きたときに、腰やお尻まわりが重だるい
硬すぎる・支えが足りないサイン
- 肩やお尻など、骨が出っ張っている部分に圧迫感を感じて目が覚める
- 横向きで寝ると、肩や腰に痛みを感じて、何度も寝返りを打ってしまう
- マットレスに接している部分だけがジンジンする感覚がある
みなみ父が言ってたのは「柔らかすぎて腰が沈む」パターンな気がします。出張先のホテルのベッドで、朝起きると腰が張って辛いって。
けんぞう先生それはまさに、沈み込みすぎているサインですね。ホテルのベッドは寝心地の良さを重視して柔らかめに作られていることも多く、普段のマットレスとの差で余計に違和感が出やすいんです。腰痛やヘルニアの既往がある方だと、この沈み込みの影響がより出やすい傾向があります。
特に相性が出やすい人の特徴
けんぞう先生マットレスとの相性は誰にでも関係することですが、特に影響が出やすい方がいます。
- 体重や体格の変化があった方:産後や体重の増減で、以前ちょうど良かった硬さが合わなくなることがあります
- 腰や股関節に既往がある方:ヘルニアや坐骨神経痛の経験がある方は、沈み込みによる負担を感じやすい傾向があります
- 横向き寝が多い方:仰向けより接地面が狭くなる分、硬さのミスマッチが出やすいです
- 普段と違う環境で眠ることが多い方:出張や旅行が多い方は、自宅のマットレスとの差を体感しやすいです
みなみ父、見事に全部当てはまってます……。ゴルフで腰に負担もかかってるでしょうし、出張も多いので。
けんぞう先生そういう方こそ、枕だけでなくマットレスも含めて見直す価値があるタイプだと思います。
今すぐできる、簡単なセルフチェック
けんぞう先生買い替えを考える前に、まず今のマットレスで簡単にチェックできる方法があります。
チェック①:仰向けで手を入れてみる
仰向けに寝た状態で、腰とマットレスの間にそっと手を入れてみてください。すんなり手のひらが入りすぎる場合は、腰が浮いて隙間ができている可能性があります。逆にまったく入らないほどぴったり密着している場合は、沈み込みすぎているサインです。
チェック②:起きたときの身体の場所を確認する
朝起きたときに、身体のどの部分が重だるいかを意識してみてください。腰やお尻まわりが重い場合は沈み込みすぎ、肩や骨の出っ張った部分が痛む場合は硬さが合っていない可能性があります。
チェック③:寝返りの打ちやすさを感じてみる
寝返りが打ちにくい、身体が沈んで抜け出しにくいと感じる場合、マットレスが身体に対して柔らかすぎることが多いです。寝返りは身体が同じ場所に負担をため込まないための大切な仕組みなので、それを妨げていないかは重要なポイントです。
みなみ父にも今度、腰とマットレスの隙間チェック、やってもらいます。
けんぞう先生ぜひ伝えてあげてください。ご自身で気づきにくいことも、こうして確認してみると分かりやすいですよ。
マットレスは「万人に合う正解」がない
けんぞう先生ここでお伝えしておきたいのが、枕と同じように、マットレスにも万人に合う正解はないということです。体重、体格、寝方の癖、既往症、それぞれの組み合わせで、ちょうど良い硬さは変わってきます。
みなみ父と私だと、体格も寝方も全然違いますもんね。
けんぞう先生そうなんです。だからこそ、「話題の商品だから」「口コミの評価が高いから」という理由だけで選ぶのではなく、ご自身の身体の状態や、先ほどのセルフチェックの結果を踏まえて選ぶことが大切です。特に腰や股関節に既往がある方は、購入前に試せる環境があるか、返品や交換の仕組みがあるかも、選ぶときの大事なポイントになります。
みなみ父にも、まずは自分の身体に合うかどうかから考えるように伝えます。
けんぞう先生具体的な商品選びのポイントについては、また改めて詳しくお伝えする機会を作りますね。今日はまず、「枕とマットレスは両方でワンセット」という視点を持ち帰ってもらえたら十分です。
こんな場合は、まず医療機関へ
けんぞう先生これは必ずお伝えしておきたいのですが、強いしびれや、脚に力が入りにくいといった症状がある場合、マットレスの見直しの前に、まず整形外科などの医療機関に相談してください。特にヘルニアや坐骨神経痛の診断を受けている方は、自己判断で無理に硬い寝具に変える、逆に極端に柔らかいものを試すといったことは避け、主治医の指示も踏まえた上で環境を整えていくことをおすすめします。
みなみ父にもそこはちゃんと伝えます。まずは病院での診断が優先ですよね。
まとめ:枕とマットレスは、両方で一つの環境
けんぞう先生今日のポイントをまとめますね。
- 枕と同じく、マットレスも「骨格を正しく支える環境」としての役割を持つ
- 枕だけ見直しても、マットレスが合っていなければS字カーブが崩れ、効果が出にくい
- 沈み込みすぎ・硬すぎのサインは、朝の身体の重だるさや寝返りのしにくさから分かる
- 体重の変化、腰や股関節の既往、横向き寝の癖がある人ほど、相性の影響が出やすい
- マットレスにも万人に合う正解はなく、自分の身体の状態から選ぶことが大切
みなみ父の「枕は変えたのに」ボヤき、原因はマットレスだったのかもしれません。今度帰省したときに、この話をそのまま伝えてみます。
けんぞう先生いいですね。まずは今使っているマットレスで、先ほどのセルフチェックを試してもらうところから始めてみてください。身体は環境が合えば、ちゃんと応えてくれますよ。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。強い痛みやしびれ、症状の悪化がある場合は、医療機関にご相談ください。
執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)

