[#9]肩こりに悩む人の枕の選び方|高さ・硬さ・寝方タイプ別に整体師が解説
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「枕を替えたのに、朝の肩や首の重さが変わらない」。そんな経験はありませんか。実は、枕選びには「商品の良し悪し」の前に見ておきたいポイントがあります。この記事では、施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきた整体師のけんぞう先生が、失敗しにくい枕の選び方を、高さ・硬さ・寝方のタイプ別に整理します。
みなみ先生、ついに枕を買い替えようと思ってるんです。でも売り場に行ったら種類が多すぎて…。何を基準に選べばいいのか、さっぱり分からなくて帰ってきちゃいました。
けんぞう先生その「分からないまま帰ってきた」のは、実はいい判断だったかもしれませんよ。枕は勢いで買うと、高い確率で「なんか違う」が起きるものなので。
枕を選ぶ前に、ひとつだけ知っておいてほしいこと
けんぞう先生最初にお伝えしておきたいのは、「枕はあくまで選択肢のひとつ」だということです。枕そのものが肩や首のつらさをどうにかしてくれる道具、ではないんですね。
みなみえっ、枕の記事なのに、いきなり夢のないことを言いますね…。
けんぞう先生ここを飛ばすと、どんな枕を選んでも遠回りになってしまうんです。人の頭はボウリングの球くらいの重さがあって、本来は背骨のS字カーブ、つまり「骨」で支えるようにできています。ところが日中の姿勢の崩れで首や背中の筋肉がこわばったままだと、どんな枕に頭を乗せても、筋肉が緊張したまま夜を過ごすことになります。
みなみ枕の上に乗る「頭と首の状態」のほうが先、ということですか。
けんぞう先生そうです。だからこのサイトではいつも「身体の状態を整えた上で、自分に合った環境を選びましょう」とお伝えしています。枕の役割は、正しい骨格で眠りに入りやすくして、寝返りしやすい環境を支えること。その前提で選ぶと、枕選びはぐっとシンプルになりますよ。
失敗しにくい枕選び、見るのは4つだけ
みなみじゃあ、その前提で選ぶとして…売り場では何を見ればいいんでしょう。
けんぞう先生チェックするのは4つだけです。①高さ、②硬さと素材、③寝返りのしやすさ、④調整やお試しの仕組み。順番に見ていきましょう。
①高さ:いちばん大事で、いちばん個人差が大きい
けんぞう先生枕選びの失敗のほとんどは、高さのミスマッチです。仰向けに寝たとき、首の自然なカーブがゆるやかに保たれて、視線がほぼ真上〜やや足元側を向くくらいが目安。高すぎるとあごが引けて首の前が詰まり、低すぎると頭が沈んで首の後ろに負担がかかりやすくなります。
みなみその「ちょうどいい高さ」って、どうやって見つけるんですか?
けんぞう先生正直に言うと、店頭で数分試しただけでは分かりにくいんです。体格・寝方・マットレスの沈み込みで変わりますから。だから後で紹介するように、「高さを後から調整できる枕」や「サイズ交換の仕組みがある枕」を選ぶのが現実的な答えになります。
②硬さ・素材:頭が「沈みすぎない」ことが基準
けんぞう先生柔らかい枕は気持ちいいのですが、頭が沈み込みすぎると寝返りのたびに力が要ります。逆に硬すぎると後頭部に圧が集中して落ち着かない。「頭の形に少しなじみつつ、押し返してくる」くらいが目安です。パイプ、ウレタン、ファイバー系など素材ごとの個性は、後半の比較で具体的に見ていきますね。
③寝返りのしやすさ:枕の「幅」と「面のフラットさ」
けんぞう先生意外と見落とされるのがここです。寝返りは、一晩じゅう同じ場所に負担が集中しないようにする、身体の大切な仕組みなんですね。だから枕は、寝返りしても頭が落ちない幅(目安50cm以上)と、転がりやすいフラットな面があるものが安心です。
みなみ真ん中がくぼんだ形の枕、フィットして良さそうだと思ってました。
けんぞう先生フィット感は魅力ですが、くぼみが深いタイプは頭が固定されやすい面もあります。寝返りの多い人は、そこも含めて見てあげてください。
④調整・お試しの仕組み:買った後に「直せる」か
けんぞう先生どんなに吟味しても、家のマットレスで寝てみないと最終判断はできません。だから、中材の出し入れで高さを変えられるか、サイズ交換や試せる仕組みがあるか。この「買った後の保険」を選ぶ基準に入れておくと、失敗がぐっと減ります。
寝方タイプ別・枕選びの考え方
みなみ私、気づくと横向きで寝てることが多いんですけど、それでも選び方は同じですか?
けんぞう先生基本の4つは同じですが、重心の置き方が変わります。タイプ別に整理しますね。
仰向けが多い人:首のカーブを支える、低め〜中くらいの高さが目安。仰向けは骨格に負担がかかりにくい姿勢なので、まずここを快適にできる枕を基準に選ぶのがおすすめです。
横向きが多い人:肩の厚みのぶん、仰向けよりも高さが必要です。首のラインが背骨とまっすぐにつながる高さが目安。低い枕で横向きになると、首が下に折れて肩まわりに負担が集中しやすくなります。
うつ伏せが多い人:首を大きくひねった状態が続くため、首や肩には負担がかかりやすい寝方です。枕で解決しようとするより、仰向けや横向きで眠りに入りやすい身体の状態づくり(後半で紹介します)から始めるのがおすすめです。
みなみ自分の寝方って、意識したことなかったです。
けんぞう先生厳密に分からなくても大丈夫。「朝起きたときにどの向きか」「入眠時にどの向きが楽か」くらいの把握で十分ですよ。
タイプ別・整体師が選んだ枕4選
けんぞう先生ここからは、4つのチェックポイントを踏まえて、タイプ別に現実的な選択肢を挙げていきます。先にお約束を。「これを買えば大丈夫」という枕はありません。それぞれの向き・不向きを正直に書きますので、ご自身のタイプと照らして選んでください。
①高さで悩む人に:ニトリ「高さが10ヵ所調整できる枕(パイプ)」
けんぞう先生高さのミスマッチが不安な人の、最初の一手におすすめしたいタイプです。中袋が細かく分かれていて、部位ごとにパイプを出し入れして高さを調整できます。首元・後頭部・左右で微調整できるので、「買ってから自分に合わせる」ことが前提の設計なんですね。
向いている人
- 自分に合う高さがまだ分かっていない人
- 体格や寝方が変わりやすい時期の人(産後など)
- まずは5,000円前後で枕選びを始めたい人
向いていない人
- 調整の手間をかけたくない人(最初の数週間は微調整の試行錯誤があります)
- パイプ素材の触感や音が苦手な人
価格の目安:4,990円(税込)
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②横向き寝が多い人に:西川「睡眠博士 横寝サポートまくら」
けんぞう先生横向き寝を前提に設計された枕です。老舗寝具メーカーの西川が、医学博士(人間科学の専門家)と共同開発した「睡眠博士」シリーズのひとつ。両サイドが独立した立体構造で、横向きになったとき肩の厚みぶんの高さが安定しやすく、中央は後頭部がおさまりやすい凹型なので、仰向けとの行き来もしやすい形です。中央と両サイドの3ヶ所でパイプの出し入れによる高さ調整ができて、補充用パイプも付属。洗濯機で丸洗いできる(洗濯ネット使用)のも実用的ですね。
向いている人
- 横向きで眠りに入ることが多い人
- 肩幅がしっかりあって、普通の枕だと横向き時に低く感じる人
- 買った後も高さを微調整したい人
向いていない人
- ほぼ仰向けで寝る人(サイドの高さを持て余します)
- フラットな面で自由に寝返りしたい人
- パイプ素材の触感や音が苦手な人
価格の目安:5,000円台(税込)※高め・低めの2タイプ
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③まず手頃に試したい人に:ニトリ「ホテルスタイル枕(Nホテル3 スタンダード)」
けんぞう先生ふんわりした感触で人気のシリーズです。約2,000円という価格なので、「今の枕が明らかに合っていない気がするけれど、高い買い物はまだ怖い」という段階の人が、枕を見直す入口として試しやすい選択肢です。
向いている人
- 柔らかめの感触が好きな人
- とにかく低予算で今の枕から変えてみたい人
向いていない人
- しっかりした支えや高さの安定感がほしい人(柔らかいぶん、頭が沈みやすい傾向があります)
- 細かい高さ調整をしたい人
価格の目安:1,990円前後(税込)
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④本格的に投資したい人に:ブレインスリープ ピロー(STANDARD)
けんぞう先生「次の枕は長く使うつもりで、しっかり選びたい」という人向けの本格派です。特許技術の3層9グラデーション構造で、使ううちに頭の大きさや寝方に合わせて少しずつなじんでいく設計。素材はポリエチレン100%で、90%以上が空気層のため通気性が高く、中材まで丸ごと水洗いできるのが大きな特徴です。
みなみ水洗いできるのは嬉しいですね。子どもに汚されても安心…。
けんぞう先生寝汗や皮脂は枕に蓄積しますから、清潔を保ちやすいのは実用面で大きいですよ。サイズはLOW(6-8cm)・STANDARD(9-11cm)・HIGH(12-14cm)の3種類。商品到着から30日以内ならサイズ交換が1回無料なので、高さ選びに保険がある点も安心材料です。レビュー件数も多く、評価は4.5(1,845件)と高水準です。
向いている人
- 通気性と清潔さを重視する人(暑がり・汗をかきやすい人)
- 長く使う前提で、枕にしっかり投資したい人
- カバー素材を好みで選びたい人(3種類から選べます)
向いていない人
- 細かく高さを微調整したい人(サイズは3展開ですが、購入後の調整は首元のみ・2段階と幅が狭めです。高さで悩みが深い人は①の調整式が向いています)
- 予算を1万円以内に抑えたい人
価格の目安:33,000円(税込・オーガニックスリープカバー付き/送料無料)
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枕を替える前に、今夜からできる「身体側」のケア
みなみ選び方は分かったんですけど…最初の話に戻ると、枕だけじゃダメなんですよね。
けんぞう先生いい復習ですね。枕が力を発揮するのは、乗せる側の首や背中がゆるんでいるときです。今夜からできることを2つだけ。
その1:布団に入ったら「けんぞう式深呼吸」。鼻から深く吸って、一気に脱力しながら完全に吐き切る。これを数回くり返すと、身体がお休みモードに切り替わりやすい状態をつくれます。詳しいやり方は仰向けで寝れない人のための記事で紹介しています。
その2:日中の姿勢をこまめにリセット。座りっぱなしで背中が丸くなる時間が長いほど、夜の首まわりはこわばりやすくなります。1時間に1回立ち上がって、胸を開いて深呼吸するだけでも違いますよ。
みなみ枕選びと身体のケア、両輪なんですね。
まとめ:枕は「身体を整えた上で選ぶ」道具
けんぞう先生最後に整理しましょう。
- 枕は不調をどうにかしてくれる道具ではなく、正しい骨格で眠りに入るための「環境」
- 選ぶときは「高さ・硬さ・寝返りやすさ・買った後に直せるか」の4つだけ見る
- 寝方タイプ(仰向け/横向き)で、合う高さと形は変わる
- 高さで悩むなら調整式(①)、横向き派は専用設計(②)、低予算なら入口として(③)、長く使う本格投資なら(④)
- どの枕を選んでも、身体側のケアと両輪で
みなみ「全部盛りの最強の枕」を探すんじゃなくて、自分のタイプに合わせて選べばいいって分かったら、なんだか気が楽になりました。
けんぞう先生枕売り場で迷子になったら、この4つのチェックポイントを思い出してくださいね。そして何より、枕に乗せる身体のほうも、毎日少しずつ整えてあげてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。強い痛みやしびれが続く場合、症状が悪化する場合は、医療機関にご相談ください。
執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)

