睡眠・自律神経

[#11]自律神経の乱れ?慢性疲労・睡眠の質に悩む人へ。身体が「休むモード」に切り替わりやすくなる食事の話

文=けんぞう(美容整体師・小顔矯正士/施術歴23年・延べ4万5千人)

夜泣き対応や仕事で気が張りっぱなし。肩こりもなかなか取れないし、寝ても身体が休まらない——。こんにちは、整体師のけんぞうです。施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきました。この記事では、身体が「休むモード」に切り替わりやすくなる食事の工夫を、忙しい毎日でも取り入れやすい形でお伝えします。
みなみ
みなみ先生、最近夜泣き対応でずっと気が張ってる感じがして……。肩こりもひどいし、なんだか一日中身体が休まらないんです。食べ物でなんとかなったりしませんか?
けんぞう先生
けんぞう先生それ、よくわかりますよ。育児中で気を張りっぱなしだと、身体が「休むモード」に切り替わりにくくなるんです。実は食事の選び方も、その切り替えをサポートする材料のひとつなんですよ。
みなみ
みなみ食事でも変わるんですね!具体的に教えてください。
けんぞう先生
けんぞう先生はい。ただ最初にお伝えしておきたいのは、食事だけで全部解決するわけじゃないということ。以前お話しした「姿勢が崩れると呼吸が浅くなって、自律神経の切り替えもうまくいきにくくなる」という話、覚えてますか?
みなみ
みなみはい、背中が丸まると呼吸が浅くなる、みたいな話でしたよね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。あれが土台にあって、食事はそこに「もうひとつの後押し」を加えるようなイメージです。両方そろって、初めて身体が休むモードに切り替わりやすくなります。

そもそも「休むモード」ってどういうこと?

みなみ
みなみそもそも自律神経って、いつも「よくわからないもの」扱いしてました……。
けんぞう先生
けんぞう先生難しく考えなくて大丈夫です。身体には大きく分けて「活動モード(交感神経)」と「休むモード(副交感神経)」の2つのスイッチがあると思ってください。日中は活動モードでいいんですが、夜になったら休むモードに切り替わってほしい。ところが、育児や仕事で気を張りっぱなしの人は、このスイッチが夜になっても切り替わらず、活動モードのまま眠りに入ってしまうことがあるんです。
みなみ
みなみそれ、私かもしれません……。寝ても疲れが取れない感じ、まさにそれです。
けんぞう先生
けんぞう先生そうなんです。腸の動き方や、口にするものの種類によって、このスイッチが切り替わりやすくなると言われています。今日はその工夫を、みなみさんの生活に合わせて紹介していきますね。

ポイント①:腸がゆっくり動く食べ物

けんぞう先生
けんぞう先生食物繊維の多いものは、腸の中をゆっくり進みます。腸がゆっくり動いている間は、休むモードのスイッチが入りやすい状態が続くと言われているんです。
みなみ
みなみ具体的にはどんなものですか?
けんぞう先生
けんぞう先生玄米や雑穀ごはん、全粒粉のパンやそば。それから、わかめ・ひじき・昆布などの海藻類、きのこ類、ごぼう・大根・にんじん・れんこんといった根菜類ですね。
みなみ
みなみ根菜の味噌汁くらいなら、忙しい日でも作れそうです。
けんぞう先生
けんぞう先生それ、すごくいい組み合わせです。雑穀ごはんと根菜たっぷりの味噌汁は、腸にもスイッチの切り替えにも相性がいい定番メニューだと思ってください。

ポイント②:酸味・少しの刺激

みなみ
みなみ意外なものも関係あったりします?
けんぞう先生
けんぞう先生はい、酢の物やピクルス、レモンなどの柑橘類。適度な酸味や刺激が、休むモードのスイッチを後押ししてくれると言われています。唐辛子やわさび、しそ、梅干しなども同じ仲間ですが、これは摂りすぎるとかえって身体への負担になるので、あくまで「ほどほどに」がポイントです。
みなみ
みなみ夜ごはんに、野菜の酢の物と梅干し少しくらいなら続けられそうです。
けんぞう先生
けんぞう先生ちょうどいいバランスですね。消化の負担も少なく、軽い酸味を足す程度がおすすめです。

ポイント③:発酵食品で腸内環境を整える

けんぞう先生
けんぞう先生味噌、納豆、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品も大事な仲間です。腸内の環境が整うと、自律神経の状態も安定しやすくなると言われています。
みなみ
みなみ朝は納豆ごはんと味噌汁が定番なので、それは続けられてるかも。
けんぞう先生
けんぞう先生それ、すでにいい習慣ですよ。忙しい日が多いなら、無理に全部そろえようとせず「朝は納豆、夜はぬか漬けを少し」くらい、どこか一食に発酵食品を入れる意識だけで十分です。

ポイント④:気持ちを落ち着けやすくする栄養素

みなみ
みなみ「これを食べたら一発で落ち着く」みたいな食べ物ってあるんですか?
けんぞう先生
けんぞう先生そこまで即効性があるものではないんですが、GABA(ギャバ)やトリプトファンという成分は、気持ちを落ち着けやすくする働きが期待されている成分です。GABAは発芽玄米やトマトなどに含まれていて、神経の高ぶりを抑える働きが期待されています。トリプトファンは乳製品、大豆製品、バナナ、ナッツ、ごまなどに多く含まれていて、心を落ち着けやすくするホルモンの材料になると言われています。
みなみ
みなみ夜、豆乳とバナナを少し食べるくらいなら、子どもが寝たあとにできそうです。
けんぞう先生
けんぞう先生いいですね。ヨーグルトにナッツを添えるのもおすすめです。「絶対にこれで落ち着く」と決めつけず、「休むモードに切り替わりやすい環境を整える一助」くらいの気持ちで取り入れるのがちょうどいいバランスだと思います。

ポイント⑤:温かい飲み物を一杯

けんぞう先生
けんぞう先生最後に、温かい飲み物です。生姜湯、黒豆茶、カフェインの入っていないハーブティー(カモミールやルイボスなど)が向いています。
みなみ
みなみ紅茶とかコーヒーはダメですか?
けんぞう先生
けんぞう先生紅茶やコーヒー、緑茶にはカフェインが入っています。カフェインは活動モードのスイッチを刺激する働きがあるので、休むモードに切り替えたい夜には不向きなんです。しかもみなみさんは授乳中なので、カフェインはお母さんの身体だけでなく、母乳を通じて赤ちゃんにも渡ってしまいます。夜に飲むなら、ノンカフェインのものを選ぶようにしてくださいね。
みなみ
みなみそれは知らずに紅茶を飲んでたかも……。気をつけます。
けんぞう先生
けんぞう先生日中に紅茶やコーヒーを楽しむ分には問題ないので、「夜だけノンカフェインに切り替える」くらいの感覚で大丈夫ですよ。冷たい飲み物も活動モード寄りに傾きやすいと言われているので、あわせて夜は温かいノンカフェインの一杯に置き換えると、切り替えの後押しになります。

みなみさんの一日の食事イメージ

けんぞう先生
けんぞう先生ここまでの話を、みなみさんの一日に当てはめるとこんなイメージです。
みなみ
みなみこれなら、今の生活にちょっと足すだけでできそうです。
けんぞう先生
けんぞう先生完璧を目指さなくて大丈夫です。「白いもの(白米・白パン・砂糖の多いお菓子)を少し減らして、玄米・根菜・発酵食品・温かい飲み物を意識して増やす」。まずはこれくらいのゆるさで十分です。

食事だけでは限界がある、という話

けんぞう先生
けんぞう先生ただ、ここで大事なことをもう一度お伝えしておきたいんです。食事は休むモードへの切り替えを後押しする材料のひとつであって、それだけで全部が整うわけではありません。
みなみ
みなみ前に教えてもらった、姿勢と呼吸の話ですよね。
けんぞう先生
けんぞう先生そうです。背中が丸まった状態が続くと呼吸が浅くなって、自律神経の切り替え自体がうまくいきにくい状態になります。食事でどれだけ良い材料を摂っても、身体の土台が崩れたままだと、切り替えの後押しが十分に活きにくいんです。だからこそ「食事」と「身体の状態を整えること」は、両方セットで考えていただきたいなと思っています。
みなみ
みなみなるほど……食事だけに頼らず、身体の使い方も見直したほうがよさそうですね。
けんぞう先生
けんぞう先生その視点、すごく大事です。どちらか一方じゃなく、両方の積み重ねで少しずつ整えていくものだと思ってください。

こんな時は、まず医療機関へ

けんぞう先生
けんぞう先生それから、これは必ずお伝えしておきたいのですが、動悸や強い不眠、気分の落ち込みが続くなど、日常生活に支障が出るほどつらい状態が続いている場合は、食事の工夫だけで様子を見ず、まず医療機関に相談してくださいね。今日お話ししたのは、あくまで日々の生活の中でできる工夫の範囲のお話です。
みなみ
みなみわかりました。そこまでではないので、まずは今日の話を少しずつ生活に取り入れてみます。

まとめ

けんぞう先生
けんぞう先生今日のポイントをまとめますね。
みなみ
みなみ今日からできることばかりなので、まずは夜のヨーグルトとナッツから始めてみます!
けんぞう先生
けんぞう先生いいですね。無理なく、できることから少しずつ。身体は毎日の積み重ねでちゃんと応えてくれますよ。

※本記事は一般的な食習慣に関する情報提供を目的としたものであり、医療的な診断・治療を目的としたものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。

執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)