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睡眠・自律神経[#41]夏の寝室の除湿機はコンプレッサー式一択。整体師が使ってわかった「エアコン28度で足りる」という話
「エアコンをつけて寝ているのに、なんだか寝苦しい」
夏にこの相談を受けたとき、私が最初に聞くのは温度ではなく湿度のことです。前回の記事で「温度を下げすぎるくらいなら、除湿で湿度を下げる方が身体にやさしい」というお話をしました。今日はその続きで、その除湿をどうやるかという具体的な話をします。
先に結論をお伝えします。夏の寝室で使う除湿機は、コンプレッサー式を選んでください。もうひとつの方式(デシカント式)は、部屋の温度を上げてしまうため、夏の寝室では逆効果になりやすいんです。
私自身、自宅でコンプレッサー式の除湿機を長く使っています。使ってみて分かったことがいくつもあるので、施術歴23年・延べ4万5千人の身体と向き合ってきた整体師として、そして一人のユーザーとして、正直にお話しします。
ただ、その前にひとつだけ。湿度や温度を整えることは大切ですが、睡眠の質を左右する本丸は、あくまで身体の側です。日中の姿勢で首や背中が硬くなったまま布団に入れば、どんなに快適な湿度でも眠りは浅くなります。除湿機は、整った身体をさらに気持ちよく休ませるための道具。この順番だけは、最初にお伝えしておきます。
夏の寝苦しさは、温度だけの問題じゃない
同じ28度でも、湿度が50%の部屋と70%の部屋では、体感がまるで違います。理由はシンプルで、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるからです。
前回お話しした通り、人は眠りに入るとき、身体の内部の温度を下げていきます。その主な手段が、汗をかいて蒸発させること。ところが湿度が高いと、汗が肌に残ったまま蒸発してくれません。放熱がうまくいかず、身体はベタついた不快感を抱えたまま、浅い眠りを繰り返すことになります。
エアコンの除湿だけでは届かない場面がある
エアコンの除湿は、空気を冷やして水分を取り除く仕組みです。つまり除湿すると部屋の温度も下がる。湿度だけを下げたいのに、温度までついてきてしまうんですね。
これが問題になるのが、こんな場面です。
- 梅雨や真夏の明け方など、気温はそこまで高くないのに湿度だけ高いとき
- 冷房で冷えるのが苦手な方(特に女性に多いです)
- お子さんと一緒に寝ていて、設定温度を下げられないとき
エアコンの再熱除湿(除湿しながら温度を戻す機能)が付いていれば話は別ですが、この機能はすべての機種にあるわけではありません。
コンプレッサー式とデシカント式、寝室で使うなら
ここが今日いちばん大事なところです。除湿機には大きく2つの方式があり、夏の寝室で使うなら選ぶべき方は決まっています。
コンプレッサー式
エアコンと同じ原理です。取り込んだ空気を冷やして、含まれていた水分を水として取り出します。
- 室温が高いほどよく働く(夏に強い)
- 消費電力が比較的少ない
- 部屋の温度をあまり上げない
- 一方で、本体はやや大きく重くなりがち。運転音も出る
デシカント式(ゼオライト式)
乾燥剤に水分を吸わせ、それをヒーターで温めて水として取り出します。
- 気温が低くても働く(冬に強い)
- 軽くてコンパクト
- ただしヒーターを使うため、部屋の温度が上がる
逆に、デシカント式が向く場面もあります。冬の脱衣所や、気温の低い時期の部屋干しなどです。「どちらが優れている」ではなく、使う季節と場所で選び分ける。ここは枕やマットレスの話と同じですね。
なお、両方の仕組みを積んだハイブリッド式もありますが、その分だけ本体価格は上がります。夏の寝室に絞るなら、コンプレッサー式で十分だと私は考えています。
【実使用】私が使っている除湿機と、正直な感想
ここからは、私が実際に使っている機種の話をします。
使っているのはアイリスオーヤマの衣類乾燥除湿機(コンプレッサー式・除湿量6.5L/日・タンク1.8L)です。すでに生産が終わっているモデルなので、ここでは型番の紹介に留めます。使ってみて分かったことを、良い点も気になる点も含めて正直にお伝えします。
排水の手間は、思ったほど気にならない
除湿機で誰もが心配するのが、タンクの水を捨てる手間です。私の機種はタンク1.8Lですが、かなり湿度の高い日でも、連続運転で6〜7時間はもつことが多いです。つまり夜に回して朝に捨てる、というリズムで回せる。毎日のことなので、この「一晩もつかどうか」はかなり重要なポイントでした。
運転音は、気になる人には気になる
ここは正直に書きます。コンプレッサー式は構造上、どうしても音が出ます。私は気にならない方ですが、音に神経質な方は気になる可能性があります。寝室で使う前提なら、購入前に運転音の数値を確認しておくことをおすすめします。
持ち運びは、思ったより楽
本体には取っ手が付いています。重さはそれなりにありますが、寝室と部屋干しスペースを行き来する程度なら、女性でも大きな苦労はないと思います。
そして、いちばん伝えたいこと
ただし、ここは注意が必要です。電気料金は契約プランや電力会社によって計算が変わりますし、部屋の広さや断熱性能でも結果は変わります。ご自身のプランを一度確認してみてください。「必ず安くなる」とは言えませんが、「エアコンの設定温度を下げなくて済む」という方向に働くのは確かです。
そして何より、これは当サイトの主張とまっすぐつながっています。冷やしすぎずに快適さを確保できる——冷えで首肩が硬くなったり、朝のだるさが出たりするのを避けられる方向の変化だからです。
私が快適に眠れているのは、除湿機のおかげだけではありません。職業柄、自分の骨格を整える習慣があり、日中の姿勢にも気をつけている。その土台の上で、除湿機が最後のひと押しをしてくれているという関係です。
日中うつむいて過ごし、首や背中が硬いまま布団に入る。その状態で湿度だけ下げても、「快適なはずなのに、なぜか疲れが取れない」となりがちです。順番はいつも通り——身体を整えるのが先、環境はそのあと。ここを飛ばさないでください。
梅雨の部屋干しという、大きな副産物
もうひとつ、これは睡眠から少し離れますが、書かずにいられない話があります。
私は以前、母の日に妻へこの除湿機をプレゼントしました。狙いは梅雨の部屋干しです。結果は——大絶賛でした。
浴室乾燥よりも、冷暖房や扇風機だけを回すよりも、圧倒的に乾きが早い。それまで梅雨の洗濯物が億劫だったのが、苦手意識がなくなったと言っています。おかげで私の株も少し上がりました。
睡眠のために買ったものが、洗濯の悩みまで引き受けてくれる。一年を通して使える道具だという点は、購入を検討するうえで大きな材料になると思います。
寝室で使うなら、見るべきは3つ
では、実際に選ぶときは何を見ればいいのか。寝室で使う前提なら、この3つです。
1. タンク容量——一晩もつかどうか
これがいちばん実用に効きます。就寝中に満水になって止まってしまうと、その後の時間は除湿されません。私の機種はタンク1.8Lで6〜7時間ですが、余裕がほしい方はタンク3L以上を選ぶと安心です。連続排水(ホースで直接排水する機能)に対応した機種なら、タンク容量の心配はほぼなくなります。
2. 運転音——夜通し回すなら数値を確認
寝ている間に動かす道具なので、ここは妥協しない方がいいです。ただし、運転音の数値(dB)を公開していないメーカーもあります。数値が明記されている機種は、それだけで一つの安心材料です。
3. 除湿量と適用畳数——部屋に合っているか
除湿量は「1日に何リットル除湿できるか」の目安です。寝室(6〜8畳程度)なら5〜6L/日クラスで足ります。適用畳数の表記は木造とコンクリート(鉄筋)で数字が変わるので、ご自宅の造りに合わせて見てください。
タイプ別・除湿機の選択肢
そのうえで、寝室で使うコンプレッサー式として、条件の異なる2つを挙げます。どちらが優れているという話ではなく、何を優先するかで選び分けてください。
実績と価格で選ぶなら
私が使っているのと同じアイリスオーヤマの現行モデルです。除湿量6.5L/日(60Hz)・タンク約2Lで、私の機種とほぼ同じクラス。メーカーの公式店で扱われていて、レビューも多く積み上がっています。延長保証の対象になっている点も、長く使う道具としては安心材料です。運転音の数値は公開されていないため、音が気になる方は次の選択肢も見てみてください。
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はじめての1台に。私の使っている機種と同クラスで、価格も抑えめです
静音とタンク容量で選ぶなら
コロナの日本製モデルです。タンク3.5Lと余裕があり、満水で止まる心配が減ります。そして衣類乾燥時の運転音が38/36dBと数値で公開されているのが大きい。寝室で夜通し回すことを前提にするなら、この情報が開示されているのは判断材料になります。本体7.7kgと軽く、部屋を移動させて使うのにも向いています。価格は先ほどの機種より上がります。
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寝室で朝まで回したい方、音が気になる方の選択肢として
使うときに気をつけたいこと
除湿機を使ううえでの注意点も、いくつかお伝えしておきます。
下げすぎない
湿度は下げれば下げるほどいいわけではありません。目安は50〜60%。乾燥しすぎると、喉や鼻の粘膜がつらくなることがあります。湿度計を一つ置いて、今の湿度を見ながら使ってください。
風が身体に直接当たらないように
除湿機は空気を吸って吐き出すので、吹き出し口の向きによっては風が当たります。エアコンの風と同じで、身体に直接当て続けるのは避けてください。
置き場所と排水
本体の周囲には空気の通り道が必要です。壁にぴったりつけず、少し離して置いてください。また、タンクの水は毎回捨てて、定期的にタンク自体も洗いましょう。水を溜めたままにするのは衛生面でおすすめしません。
フィルターの掃除
フィルターにホコリが溜まると、除湿の効率が落ちます。取扱説明書に書かれた頻度で掃除してください。
こんな時は、まず医療機関へ
大切な注意点です。
- めまい・頭痛・吐き気・身体の熱っぽさなど、熱中症を疑うサインがある(夜間・屋内でも熱中症は起こります)
- 咳や息苦しさが続いている
- 湿度対策をしても、強い倦怠感や不眠が続いている
こうした場合は、寝室の環境の工夫より先に、医療機関に相談してください。特に危険な暑さの夜は、除湿機ではなくエアコンでの温度管理が最優先です。除湿機はエアコンの代わりにはなりません。
まとめ
今日のお話をまとめます。
- 夏の寝苦しさは、温度より湿度が原因のことがある。湿度が高いと汗が蒸発せず、身体が熱を逃がせない
- エアコンの除湿は温度も下がる。「湿度だけ下げたい」場面では除湿機の出番
- 夏の寝室で使うならコンプレッサー式。デシカント式は室温が上がるため夏の寝室には向かない
- 寝室で選ぶなら、タンク容量・運転音・除湿量と適用畳数の3点を見る
- 除湿機を併用すると、エアコンの設定温度を下げずに済む。私の場合は28度の弱で足りるようになった
- 湿度は下げすぎない(目安50〜60%)。危険な暑さの夜はエアコンが最優先
- そして忘れないでほしいこと。除湿機は環境を整える道具であって、睡眠の質そのものを作るものではありません。身体を整えるのが先、環境はそのあと
最後に、要点だけもう一度
- 夏の寝室はコンプレッサー式。デシカント式は室温が上がる
- タンク容量は「一晩もつか」で選ぶ。カタログでは目立たないので自分で探す
- 湿度が下がれば、エアコンを下げすぎずに済む。冷えで朝つらい人ほど効く
- ただし本丸は身体を整えること。除湿機はその上での「最後のひと押し」
熱中症を疑うサインがある場合は、環境の工夫より先に医療機関に相談してください。
そして、検査で異常なしと言われたのに不調が続く方、そこからが当サイトの領域の出番です。あきらめる必要はありません。
その不調、寝具のせいだけじゃないかもしれません。身体の状態を整えた上で、自分に合った環境を選ぶことが大切です。
執筆・監修:けんぞう先生(整体師/施術歴23年・延べ4万5千人)
※この記事の内容は一般的な情報提供であり、診断や治療の代わりにはなりません。

